好きになるねー
俺のことアイツは好きなんや
俺はアイツのこと
誰かを好きになるとか
ずっと避けてきたから
未練残さず
それがずっと俺の中での
決まりやったから

「すごい難しそうな顔してんなぁ」

「お前みたいにお気楽ちゃうねん」

「何それサイテー」

「言うとけ」

またいつもみたいに
となりに寝転ぶ
どんだけ暇やねんコイツは

「彩ぁー」

「あ?」

「人傷つけるのって…辛いな」

「なんやねん急に
お前らしくない」

「…告白されてん
けど断ってな
そしたらすごい悲しそうな顔で
それが辛いねん
何回も見るとホンマに」

遠回しに自慢を入れてくるのは
腹立つけど
でもコイツにとっては大きなことなんや

「仕方ないんちゃうか?
それなら告白受けたらええやん」

「だって彩おるし」

「俺まだ付き合うとは言うてへんで」

「ひどいっ!遊びやったんっ!」

「遊んでへんやろが
気持ち聞いただけ
保留ってやつや」

「私をキープするなんて
彩贅沢すぎる!」

「はぁお前どこまで
ナルシストやねん」

「どこまでも?」

「だる」

「ヘヘヘッ」

「はぁ…俺のこと気にせんでええねん
どうせ俺死ぬんやし
先長いやつと付き合う方が…」

バチンッ!!

「ッテ!!何すんねん!!」

「そんなこと言わんとって!」

「あのさ
お前が何期待してるかしらんけど
俺は死ぬねん
それは、変わらへん
だから俺に関わるな!」

「嫌やっ!
彩には生きてもらうねん!」

「…出ていけ」

「嫌や!」

「じゃあええわ
俺が出ていく」

「待って!彩!」

「やめろ!」

「キャッ!!」

ドンッ…

「あ…」

「いたい…」

…何で?
何でこんなときでも
なんで

「笑ってんねん」

「え…?」

「怒ったらええやん
なんで怒らへんねん
お前言ってるの正しいやん!
それやのに俺は八つ当たりしてん!
なんで怒らへんねん」

「だって…私彩の気持ち
考えてないから」

「え?」

「彩に生きて欲しい
私にはそれしかないから
だから彩の気持ち考えてる暇ない
必死に伝えたいから」

「なんやねんそれ…」

頭が混乱する
今までこんなに人に必要とされたことが
ない…
親やって初めはめちゃくちゃ
心配して泣いて
それやけど弟が生まれてから
弟ばかり可愛がった
先の短い俺は捨てたんや

「彩…」

渡辺は俺の頬を
両手で包んだ
コイツの手あったかい…

「よかった」

「え?」

「彩わかるやろ?
彩は確かに先は短い言われてる
でもそれは今死んでるって言われてるん
ちゃうねん
今、彩は生きてる確かにここにおる
だからもっと生きてるって味わへんと
今日彩が怒ってくれて嬉しかったで!」

「…」

今日君から教わったのは
生きると感じる大切さ