私の日常は
昔に戻った
朝起きて
学校に行って
よく分からん奴に告られて
部活行って
帰って
寝て
少し前までの日常
なんの色もない
けど、なんでやろうか
前までなら鍵を閉めたのに
何で開けてしまうんやろうか
何でアンタが来るって
思ってしまうんやろうか…

(彩ちゃんっ!)
(おかえりー)
(彩ちゃんのアホーっ)
(好き?)
(愛してんでーっ)

「アホか…」

ギターを鳴らすと
バチンッ…
弦が切れた

「お前も…悲しいんか?」

ギターにそんなんいうて
どうすんねんな…
アホらしいわ

ベランダに出て
タバコを取り出して吸う
アホやろ?
アンタがおらへんと
禁煙なんかできへんわ
前より吸うようになった
いくら吸っても落ち着かへんけどな

「ゴホゴホッ…ペッ!!」

タバコの吸いすぎて
血が出るようにもなった
ホンマにボロボロや

ガチャッ

「彩」

「なんや父さん…」

「隣ええか」

「…何も言わへんの?」

「ホンマは取り上げたいけど
今の彩にはようできひん」

「父親失格やな」

「そうやな…
お前にこんな悲しい思いさせてんねんから」

「…」

「美優紀ちゃん
リハビリ始めた
来週には学校に行く」

「そう」

「お見舞い行かへんのか?」

「行くべきちゃうねん
私は…」

「美優紀ちゃん
彩に会いたい言うてたで?」

「うそやろ」

「ホンマや
ひどいこと言うたみたいやって
ショック受けてたわ」

「…記憶を失ったアイツに
私は何ができるねん」

「…」

「私自身無理なんや
美優紀に触れられへん
美優紀の笑顔が見れへんねん
あのときの美優紀は
私を恐れてた
怖い思いさせたんや…」

「けど…」

「もういいねん
美優紀には幸せになってほしいから
…私出ていこうと思ってるし」

「彩!!!」

「辛いんやっ!」

「…」

「どこにいても
アイツを思い出す
アイツとの思い出がない場所に
行かへんと」

「けど彩…」

「アイツを傷つける
記憶を失ったアイツに
私は何を言うか分からへん
自分を押し付けるかもしれへん
もうアイツを傷つけるのも
泣かすのも嫌やねん…」

「…」

「好きやねん…
女やし妹やし
アホやと思うけど
堪らへんくらい
気が狂うくらい…
美優紀が好きや…
だから好きな分幸せにしたい
なってほしい…
父さん頼むわ
私のわがままを聞いて欲しい」

「彩は…それでええんか?
お前の気持ちはそれでええんか?」

「ええよ…
美優紀のためやから」

「…わかった
部屋は明日探しに行こう」

「ありがとう…父さん」

「ええよ
でもな彩
1つ言いたいのは
お前は頑張りすぎや…
一人で抱え込むな

ここの部屋そのままにしとく
だからいつでも帰ってき?
美優紀ちゃんの隣の部屋に
帰ってき…」

バタンッ…

これでええんやんな
これが正しいんや
どうか美優紀が幸せに
なりますよう…