「なぁ恵ちゃん」

「ん?」

「好きな…人が
心開いてくれへんかったら
どーしたらええ?」

「え?それって」

「…彩ちゃんのこと」

「…そっか、なんかあったん?」

「うーん…」

「彩先輩荒れてるもんな」

「うん…」

「彩先輩やって
素直になれへんねんって」

「でもさ
どーしていいか分からへんもん」

「…みるきーがどこにも
行かんって証明したらええんちゃうん」

「んー…
心に触れられない気がしてん
固く鍵がかかってるみたいな」

「じゃあ鍵壊したらええやん」

「え?」

「簡単な話…な?」

「そ、っか
そうやんな!ありがとー」

「みるきーも完全に恋する乙女や」



ガチャ

「彩ちゃんおかえりー!」

「…」

「今日なご飯…」

「…」

「ちょっと待ってや
彩ちゃんっ」

階段を無言で上る彩ちゃんの手を
思いっきり掴んだ
そのとき

グラッ

「へ?…あっ」

ゴロゴロゴロッドンッ

「イッタァ…くない?
彩ちゃん!?」

「イテ…」

「あぁごめんっ!」

「別に」

彩ちゃんは私を抱きしめて
下敷きになっていた




突然美優紀に引っ張られた
振り返ると
美優紀が倒れそうで思わず抱きしめた
普通なら頭ぶつけたりするけど
うまく受身をとって
少し体が痛い程度
でもこんなことするなんて
自分はどんだけ美優紀を特別視
してるんか…って笑えた
けどやっぱり素直になれない
私は美優紀を押して
起き上がろうとした

「彩ちゃんっ!待ってて!」

「は?」

ちょこちょこと
リビングまで行って
戻ってきた
美優紀の手には針金があった

「なんやね…ん?」

「よし、これでどうだぁー」

そう言って
私の胸に針金を当てて
くるくる回し出した
何がしたいねん

「開けー開けー!」

「は?なんやねんこれ」

「彩ちゃんの心の扉あけてるねん!」

アホ過ぎて声もでぇへん
何かと思えばそんなことか

「鬱陶しい…早く離れ…」

「離れへんっ!」

「は…?ちょっ!」

「離れへんもんっ!
彩ちゃんに何があったか
分からへんけど!
でも!離れへんもんっ!
ここの扉あけるもん!!」

泣きながら
針金を回す美優紀
ホンマにアホやな
子供や
けどなんでやろ
なんでお前が私の
心の黒い部分なくしていくねん
こいつのこと信じたい
こいつに笑いかけたい
苦しい…苦しい…

「彩ちゃん…」

「や、めろっ!」

「…いやや!」

「そんなんしても意味ない!
なんのためにそんなこ…」

「好きやねん!彩ちゃんのこと!」

「…え?」