次の日
熱は下がったし
体がだるいのも治まった
彩ちゃんのおかげや…

「彩ちゃん昨日はありが…
あっそか、部活か」

彩ちゃんが帰ってくるまで
部屋の掃除でもしよーっと

彩ちゃんのために
部屋の掃除とか
洗濯とか
料理も怪我しないように作った
すると結構な時間が過ぎてた
あ、勉強せぇへんと
昨日休んでた分しとかないと
後が辛いからね

「えっと…ここは
これが主語だから…あれ?」

ガチャッ

「あ!帰ってきた!
おかえりー!!!」

「うるさい」

「えー!ひどい!うるさくないもん!」

「うるさいってば…
その感じなら元に戻ったんやな」

「うんっ!彩ちゃんの
愛の…」

「ならよかった」

「ちょっと最後まで話聞いてやー!」

「…ん?」

「あー勉強
やっとかへんとテストが…」

「こことここ間違ってる」

「え!」

「簡単に分解して考えればええねん
私は、彼に、泣きましたやろ?
ってことは
私は彼に泣か?」

「されました?」

「そう、できるやん
そ~やって考えればええねん」

「彩ちゃん分かりやすいっ!
教えてやー!」

「嫌やわ
自分で考え」

「えー…」

「考え方ちょっと変えるだけで
ええねんそしたら見え方が…」

「彩ちゃん?」

彩ちゃんは突然黙り込んで
何かを考え出した
どうしたんやろ…

「いや、なんもない
私部屋おるから」

「彩ちゃ…」

「大丈夫やから」

バタンッ

閉まった扉はまるで彩ちゃんみたいや
心を開いてくれたと思ったのに
やっぱり閉じてしまう
彩ちゃん…
ほっとかれへんよ私は

ダッダッダッ

階段を駆け上る
彩ちゃんの部屋の前
鍵がかかってないことを願った

ガチャ

「彩ちゃん…」

彩ちゃんは
私の方を見た
彩ちゃんの右手には
タバコが挟まってた
やっぱり…
気づいてた
彩ちゃんから微かに
タバコの匂いするから

「彩ちゃん…」

「…アホらしくなった」

「え?」

「美優紀に考え方変えろとか
いうてんのに自分は
なんも変わらへん」

「あっ…」

「…」

彩ちゃんは
少し困った顔をして
タバコの煙を吐き出して
灰皿にこすりつけた

「なんもない
大丈夫やから
私のことは…」

「ほっといて?
そんなんほっとけるわけないやん…」

私は彩ちゃんに
抱きついた
彩ちゃんの暖かい優しい匂いを
消すくらいのタバコの匂い
それがまるで彩ちゃんの心の中を
占めてる黒い影みたいで
それをぬぐいたい
そう思った

「彩ちゃん…あんな?」

「…離れろ」

「え…?」

「私に触れるな…」

「彩ちゃんっ?」

「出ていけっ!!」

バタンッ!ガチャンッ

鍵がかけられた

その瞬間
彩ちゃんの心には
もう触れられない気がした