「んー?ここどこ?」

「保健室」

「彩ちゃん?」

「頭打ってん軽い脳震盪や」

「のーしんとー?」

「はぁ…脳が揺れたってことや」

「え!?大変やっ!
死んじゃう!脳がなくなるー!」

「アホ
なんもならんわ」

「え?そうなん」

「お前はほんまにアホやな」

「アホちゃうもん…」

「ったく普通気づくやろ?
アイツらお前に当たり強かったんやから何かするって
なんで気づかへんかなぁー」

「…」

美優紀は私の顔を
じーっと不思議そうに見た

「なんやねん」

「彩ちゃんって

私のこと好きなん?」

「は?」

「だってそんなに私のこと
見てたんやろ?」

「アホ
私は見てたんやなんくて
観察や」

「そーなん?
でも心配してくれるってことは
嫌いじゃないんやな」

「だから前もいうたやろ
普通や」

「そっかじゃあええや」

「幸せなやつ」

「うんっイテテ」

「騒ぎすぎや
大人しく寝とけ
敦子さんに迎えに来てもらうから」

「彩ちゃん一緒に帰ろうや」

「絶対嫌
じゃ」


バタンッ…

(私のこと好きなん?)

好き…ねぇ
別にアイツを見てドキドキするわけ
ちゃうし
アイツのことばっかり考えてるわけ
ではないけどな
だから普通ってのが一番合うわけや



「ありがとうママ」

「ええよええよ
でも大丈夫?頭痛いんちゃう?」

「ちょっと痛い」

「そっか…あれ、彩ちゃんかな」

「ん?…あ」

ママが指さした方向には
彩ちゃんがおった
授業のはずやのに屋上で
寝転んでた

「やっぱり辛いのかな」

「え?」

「うん、詳しくは言えないけどね?
彩ちゃん辛い思いばっかり
してきたの」

「辛い思い…」

「南とね彩ちゃん
ホントの親子じゃないの」

「え…?」

「南の前の奥さんの子供
前の奥さんの前の旦那さん
つまり彩ちゃんのホントのお父さんは
彩ちゃんを虐待しててね
南の派出所に通報が入ったの
お父さんは捕まって
南は彩ちゃんと彩ちゃんのお母さんを
気にかけて毎日会いに行ってた
しばらくして二人は籍はいれてないけど結婚したの
しばらくは幸せだったんだけど
ある日南が彩ちゃんを連れて遊びに
行ってね
帰って家に戻ったら
彩ちゃんのお母さんいなくなってたの
好きな人ができたって
そこから彩ちゃんすっかり
塞ぎ込んじゃって
笑わなくなったの」

「そんなこと…」

「南は彩ちゃんのこと大好きだし
大切なんだけど
彩ちゃんは南は同情で
一緒に暮らしてるって思ってて
私と再婚するって行った時も
出ていこうとしてたの」

「彩ちゃん…」

「だから彩ちゃんのこと
分かってあげよ?
理解できるように彩ちゃんが
笑えるようにしたいね」

「…うん」

彩ちゃん…一人にならないで
私といよ?
私は彩ちゃんを



一人にしない