冷たい水はより低きに流れる
「私は今日から寂しがり屋さんになります」
「人は誰でも寂しがり屋さ。
寂しさを売って慰めを買う」
「結局貴方は自分が可愛いだけでしょう?」
「"己を愛するがごとく、汝の隣人を愛せ"
これはつまり、
隣人を愛するには、まず自分を愛さなきゃいけないってことさ」
「自分の愛し方を探しているうちに死んでしまいます」
「君は泣いた事がないのか?」
「雨の降らない大地に咲く花はないっていうの?」
「ああ、植物図鑑はないか?こりゃ今すぐ調べなきゃ。
もし本当にそんな花があるなら僕は・・・」
「そんなの私には関係ない。
水は低いところへ流れるだけ。
海につく頃には雨だった記憶なんて・・・。
人は強くなると、弱さの美しさを忘れちゃうのね」
「僕は、悪い事をした記憶がない。
でも、良い事もしなかった。弱い人間なんだ」
「うそつき」