人生に複利を効かせよう - 複利式の応用
お金と経済は密接に結びついています。そして経済というのは人々の活動の結果です。ですから金融の知識というのは日々の生活や人生にも応用できることが多いのです。
その1つに複利があります。複利はものすごいパワーを持っています。複利運用というのは利息を元金に組み入れていく資金運用方法で、利息が利息を呼んで元金が雪ダルマ式に増えていきます。
銀行にお金(元金)を預けておくと普通は利息が付きます。この利息を引き出さずにそのまま銀行にためておくと、次の年には「元金+利息」に利息がつくことになります。このようにお金は有効に活用されていると通常複利利回りによって増加していきます。
複利の式を導出してみましょう。
1年目 元金+元金×利子=元金(1+利子)
2年目 元金(1+利子)×(1+利子)=元金(1+利子)2
n年目 元金(1+利子)n
よって、複利の元利合計(元金+利息)は次の式で表わされます。
元利合計 = 元金×(1+利子)年数
たとえば、これを文明に当てはめてみましょう。文明は技術革新によって発展しますから、
文明度=文明×(1+小さな技術革新)年数
別の言い方をすると下記のようになります。
技術=知識×(1+小さな研究)年数
個人レベルまで落としてみると、
自分=元々の自分×(1+小さな努力)年数
つまりこの式は何を表わしているかというと、自分で作り出した価値を自分にフィードバックできる回路は大体この仕組みで増やすことができるということです。
ここで「年数」に注目してみましょう。年数はべき乗になっています。これが複利の秘密です。
元々の自分=100、小さな努力=0.3、年数=1として計算してみましょう。
自分=100×(1+0.3)1=130
元々の自分=100だったものが、0.3の努力により、1年後に130の価値になりえるということです。
それでは、「小さな努力」と「年数」を動かしてみましょう。
①小さな努力を2倍にした場合
自分=100×(1+0.6)1=160
②年数を2倍にした場合
自分=100×(1+0.3)2=169
③小さな努力を50倍にした場合
自分=100×(1+15)1=1600
④年数を50倍にした場合
自分=100×(1+0.3)50=49792922
このように年数(=時間)というのは大変なパワーを持っていることがわかります。これは、小さな一歩でもいいから長く歩き続ける、習慣化するということがいかに大切かを物語っています。
結論。
努力はそんなにしなくていい。ただし、長く続けろ。
たとえば勉強するにしても、小さな努力はほんの小さなものでもいいから(たとえば1日10分本を読む)毎日欠かさずに続けるほうがいいのです。一歩を小さくして長くづづける。この方が成功の確率が高いわけです。これが「継続は力なり」の本当の意味です。
「人類最大の発見は複利である」(アルバート・アインシュタイン)
「時は金なり」(ベンジャミン・フランクリン)