ノーベル化学賞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810080242.html
ノーベル物理学賞に続きノーベル化学賞も日本人が受賞しました。下村氏の受賞理由は緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見です。
1961年、オワンクラゲという日本でもよく見られるクラゲから発見したそうです。つまりオワンクラゲはGFPを作る遺伝子を持っているということで、後にこの遺伝子が特定され、優れたレポーター遺伝子として活用されるようになります。
オワンクラゲ
レポーター遺伝子とは何かというと、遺伝子を追跡するためのマーカーに使われるものです。遺伝子の追跡は容易ではありません。微小で同じ形をしており、中の塩基配列だけが違う遺伝子を峻別するには一つ一つ解読しなければわかりません。
そこでレポーター遺伝子が使われます。遺伝子というのはたんぱく質を製造する設計図です。レポーター遺伝子は、薬液に付けると発色したり発光したりするたんぱく質を作り出します。遺伝子というのは自身をコピーして増えます。調査対象の遺伝子の後ろにレポーター遺伝子をくっつけておくとレポーター遺伝子もいっしょにコピーされます。そして遺伝子が機能(発現)するとレポーター遺伝子が目立つたんぱく質を作り出しますので、その量を測定すれば一目瞭然です。
ではGFPはなにがすごいのかというと、薬液や特殊な加工を必要とせず、単体で発光するということです。検査対象である細胞を生きたまま外から観測することができます。つまり非常に使い勝手がいいわけです。この発見がなかったら遺伝子研究はそうとうに遅れていたと思われます。生物学をはじめ病気の研究や薬の開発など幅広い分野で使われ多大な貢献をしたことが下村氏の受賞につながりました。
身近にいたクラゲからこんな発見がされるとは目の付け所ですね。偉大な発見は案外身近にあるものから見つかるのかもしれません。
P.S.
ちなみにご子息はこの方
