自分の体ってどうやって認識しているのだろう | 木下英範のブログ

自分の体ってどうやって認識しているのだろう

本当の腕を隠して、偽物のゴムの手を見せて、両方を同じように筆でなで続けるとどうなるか。人は見えているゴムの手のほうを自分の手だと認識してしまうそうです。



偽物のゴムの手に危害が加えられそうになると、思わず反射反応をしてしまうそうです。こんな簡単なことで完全にだまされてしまうのですね。近くの人とやって見るのも面白いかもしれません。

そして、隠されていたほうの手は温度が低くなるそうです。普段は自分の手であると認識して意識的に温度を高くしているのでしょうか。

体温というのは、基礎的なものなので視床下部で無意識に調節されていて意識的には変えられないと思われていましたが、人間は意識によって体温を調節する機能が備わっているのかもしれません。

気功師は患部に意識を集中しますね。すると患者も自然にそこに集中するわけです。すると、その部位に対する認識度が変化する。強く認識すれば体温が上がる。すわわち、認識度を調節することによって血行を調節して治療効果を発揮しているのかもしれません。

こういった錯覚は味覚についてもいえます。以前NHKの実験でやっていましたが、「緑色のメロン味」の液体と「赤色のイチゴ味」の液体を飲んでもらって、その後に色を入れ替えて「赤色のメロン味」の液体、「緑色のイチゴ味」の液体を飲むと、ほとんどの人が赤色はイチゴ味、緑色はメロン味と答えたそうです。味覚も視覚によって簡単にだまされてしまうのですね。人間って案外いい加減なものです。料理も見た目は大切と言えそうです。

共通しているのはやはり視覚は非常に強い力を持っているということですね。人間は視覚の信憑性に多大な自信を持っているようです。

また、物事を思考するということは、脳だけで考えているのではなくて、体全体で考えているといえるでしょう。今何を見ているか、今何を感じているか、何を触っているかによって思考回路が変化するのです。脳を鍛えようと思ったら体も鍛える、体を鍛えようと持ったら脳も鍛える、というバランスが大切といえそうです。

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http://wiredvision.jp/news/200809/2008090323.html