風が吹けば桶屋が儲かる | 木下英範のブログ

風が吹けば桶屋が儲かる

昔の相場師は、漁船に便乗して世界のいろいろな海に潜り海水の温度を測っていたそうです。そして例年に比べて海水温の上昇が見られると、ここぞとばかりに大豆を買い占めます。


なぜか?


海に潜っていたのは、シラスの成魚であるカタクチイワシの獲れる量を占うためなのです。昔から何年かに一度、海水温が異常に上昇する年があります(現在ではエルニーニョと呼ばれいます)。この海水温の異常上昇があった年にはカタクチイワシがパッタリ獲れなくなります。


そうするとどうなるか?


獲れたカタクチイワシはアメリカに運ばれて、牛の飼料になります。カタクチイワシが獲れなくなると、代わりに陸のたんぱく源、大豆が飼料として使われます。すると今度は大豆が足りなくなり、そのほとんどを輸入に頼っている日本でも価格が高騰するのです。風が吹けば桶屋が儲かる的発想ですが、まるっきり間違っているとは言えません。


相場とはこのようにいろんな原因を織り込んだ結果の姿なのです。ですから相場を見るとは世界を見るということなのです。


(※この記事は2005/04/16に他ブログで執筆したものの再掲です)