1対1のコミュニケーションこそが重要
最近電車に乗るとよく目に付くのが英会話の広告である。少し前まではいろいろな英会話の会社がしのぎを削っていた。しかし昨今目にするのはひとつの会社のものだけである。
マンツーマン英会話。
そのコピー、
「どう見積もっても一番話せて聞けるのは1対1だ」
もっともである。
なぜこの会社だけ業績が伸びたのか。1対1だと気後れせず話しやすい。周りに気を使わなくていい。一番聞けて話せるから。この会社の運営がうまい。通勤途中にいろいろ理由を考えていたら、次のことに気づいた。
1対1のコミュニケーション。これこそが一番重要なのではないか。考えてみれば、日常会話でもビジネス会話でもほとんどの会話が1対1だ。
大勢の前で話すのが飛びぬけてうまい人と、1対1で話すのが飛びぬけてうまい人、最終的に天下を取るのは後者だと思う。なぜなら、100人の熱狂を一挙に集めることは効率的だが、そういうものはさめるのも早い。対して、たった一人に対するコミュニケーションが抜群にうまければ、それを100人に展開すれば、仲間が100人できるからである。それはとても強い絆となる。
社内においても、取引先においても、家族においても、結局は1対1のコミュニケーションが物を言う。
お得意様の会社全体によく思われようとするよりも、担当者一人と徹底的に親密になること。このほうがよい仕事がもらえる確率が高い。
組織同士の衝突においては、一見多人数が敵対しているように見える。しかし敵対しているのはたった1組のキーパーソンだけだったということはよくある。敵対する組織同士のリーダーが仲良くなれば、組織全体が仲良くなってしまうものである。
1対1のコミュニケーションは景色全体を変えてしまうほどのパワーを持っている。
「大衆の救いのために勤勉に働くより、ひとりの人のために全身を捧げるほうが気高いのである」
(ダグ・ハマーショルド)