投資先の選択 - 自分を選択肢に入れていますか | 木下英範のブログ

投資先の選択 - 自分を選択肢に入れていますか

財産を効率的に増やすには投資が有効です。投資とは、今手に持っている価値(現在価値)をある対象に託して、一定期間後にその対象から得られる価値(将来価値)を獲得する手段です。この場合、現在価値を預ける対象は、なんらかの価値増幅システムを備えていることが前提です。


投資対象とされるものにはいろいろあります。代表的なものが株です。株を購入するとは、企業にお金を託して、そのお金を使って企業は事業を運営し、得られた利益を配当や株価上昇によって還元してもらうということです。


リスクをあまり取りなくないならば、国債があります。一般的に国債は元本が保証されます。国債を購入するとは、国にお金を託して、そのお金で国を運営し、経済を発展させ得られた税金から利息が支払われます。


もっとリスクを取りたいならば各種デリバティブ商品(先物、オプション、スワップ等)があります。これらの多くはレバレッジの機能を備えているので、少ない原資で大きなお金を動かせます。


と、いろいろと多くの投資の選択肢があるのですが、多くの人が忘れがちな投資先がひとつあります。


それは「自分」です。


そもそも誰かに投資するというのは、今自分が持っている「確実な」お金を「確実でない」将来価値のために、誰かに預けることです。この意味で投資を選択するということは、これは次の判断をしたことを意味します。


「自分がお金を使って稼ぐよりも、他人がお金を使ったほうが多くを稼げる」


つまり、自分は他人よりも稼ぐ自信がないということを認めたということです。もし自分の可能性を信じているならば、そのお金は迷わず自分で自分のために使うべきです。


ただし、自分で使い切れないほどのお金を持っているならば、他人に手伝ってもらうことが合理的です。もしくは高齢になり自分はもう働く自信がない、という場合も現役世代に託すことが有効です。


投資ブームの影響もあり、私たちはともすれば外部によい投資先を見つけることに血眼になりがちです。計画的な財産形成において、お金の一部を優良な投資先に預けておくことはときには有効なこともあるでしょう。しかし、もし使い切れないほどのお金を持っていない限り、投資先に「自分」を含めて、本当にどれが一番リターンが大きいのかをしっかりと検討することは大切なことです。特に若い人の多くは自分に投資するのが一番賢い選択だと私は思うのですが。