自分の意見を通すときに心がけるべきこと
現在、立場が異なるさまざまな政治家、政党によりさまざまな政策がうたわれています。小さな政府を目指す政策、大きな政府を目指す政策、財政を重視する政策、成長を重視する政策、都市を重視する政策、地方を重視する政策。
それぞれが多かれ少なかれトレードオフの関係をもっているため、すべてを完璧に満たす政策をとることはできません。ある政策を支持すれば、他の政策を排除することになってしまいます。(少々極端ですが)地方を重視すれば都会を見捨てることになり、成長を指示すれば弱者を見捨てることになってしまいます。ではどうすればいいのか?
答えは自分の立場で自分に都合の良いように自己中心的に選べばよいのです。
自分が都市に住んでいるのならば、都市を重視する政策に。
自分が地方に済んで切るのならば、地方を重視する政策に。
自分が若年ならば、若者に有利な政策に。
自分が老人ならば、老人に有利な政策に。
わが国は民主主義なので民意が政治に反映されることになっています。民意は投票という手段によって集約されることになっています。政治には投票制度という緩衝材が働いています。だから意見を通すときはストレートに自分勝手でいいのです。むしろ自分勝手のほうが集合知の力が最大化されます。
政治に投票する限りにおいては、もし自分が若者ならば、老人に対しての配慮は考えなくていいのです。老人は自分たち老人のことを考えて投票をするからです。若者が老人に対してどのような政策が一番いいのかを考えても正しい答えは出ません。自分のことは自分にしかわからないからです。自分が自分の環境における一番の専門家なのです。
しかし、専制君主だったり、小さな集団で自分が強い立場にあるとき等、集約の仕組みがない社会で意見を述べるときは状況が異なります。この場合は、フィルターがないので意見がそのまま採用される可能性があります。よって、各個人が全体のことを考えて適切な意見を通す必要があります(もっともその場合は意見をいえる人間の数が限られていると思いますが)。
要するに、自分の意見がどういう経路をたどって社会にどう影響するか、意見集約のフィルターがどの程度働いているのか。ということをよく見通して、適切な意見をのべる必要があるということです。