多様性は受け入れなくてもいい | 木下英範のブログ

多様性は受け入れなくてもいい

 多様な価値観が出現する時代といわれている。そして多様な価値観を受け入れて共存できない組織はダメであるという議論が盛んである。しかし私は自分以外の価値観を受け入れる必要はないと思う。

 なぜ価値観が多様化するか。ひとつは情報化である。情報化が進むと、個人が好む情報にすぐアクセスできるようになる。すると自分か好む情報のみを集中して集めるようになる。今までは情報は一方通行であった。だからマスで1つの情報を共有することが多かった。広告や、TVなどだ。しかしこれからは個人それぞれが好きな情報に自らアクセスし取得する。そして同じ価値観を持った人々はそれぞれコミュニティを作る。そして同じコミュニティの中だけで情報交換をするようになる。同じ価値観を共有する仲間と話すことは楽しいし、らくだからだ。するとますます価値観=コミュニティの壁は強固なものになる。情報化が進むほど、このコミュニティは細分化され多数の価値観が形成される。これは価値観の増加を意味する。

 もうひとつはグローバル化である。これは情報通信の発展も寄与しているのだが、それ以外にも交通手段の発達により人々が簡単に世界中を移動できるようになった。また人が作った壁(国境や経済主義)が曖昧になることにより世界を自由に行き来できるようになった。そのため今まで自分の世界に入ってこなかった思想が容易に入り込むようになってきた。これは自分が異なる価値観に触れる機会が増えるということだ。

 「多様な価値観を受け入れる」これも正しいし、
「自分たち以外の価値観は拒否する」これも正しい。
選択は自分次第だし、どちらがよりよくて、どちらがダメというものではない。どちらにも道はある。そもそも多様性を受け入れるとか受け入れないとかそういう議論自体あまり意味がない。そんなのはどっちでもいい。

 ただ、今後価値観の種類が増加し、それぞれのコミュニティの壁が強固になっていくことは確かである。今後ビジネスとして異なる価値観をもったコミュニティ同士を結びつける(情報パイプを作る)手段を提供することは意味があるし、儲かるだろう。