IT業界でよく耳にする「SE」という言葉。初めて聞いたときは何をしている人なのか、なかなかイメージが湧かないかもしれません。SEとは、システムエンジニア（System Engineer）の略称で、システムやソフトウェアを設計・開発・運用する専門職を指します。簡単に言えば、「システムを作るための設計士兼監督」のような役割を持つ人です。
SEの主な仕事は、大きく分けると以下の通りです。まず「要件定義」です。これはお客さまがシステムに何を求めているのかをヒアリングし、整理する工程です。次に「設計」です。画面やデータの流れ、システム全体の構造を決めます。設計書を作成して、プログラマーが迷わず開発できるように指示するのもSEの重要な仕事です。その後は「テスト」や「保守運用」も行います。システムが正しく動くか確認し、問題があれば改善する役割も担います。
ここでよく混同されやすいのがプログラマー（PG）との違いです。プログラマーは主にコードを書く人で、設計書に沿ってプログラムを作成します。一方でSEは、システム全体を俯瞰して設計や管理をする立場です。つまり、プログラマーが「大工」だとすると、SEは「建築士兼現場監督」といったイメージです。
また、SEはお客さまとの接点が多いのも特徴です。要件をヒアリングしたり、システムの仕様を確認したり、時には改善提案を行ったりします。そのため、技術力だけでなく、コミュニケーション力や調整力も求められます。
IT業界で働く人の中には、自分がSEなのかPGなのかを混同している方も少なくありません。大切なのは、SEはシステム全体を設計・管理する役割、PGは設計に沿ってプログラムを書く役割という違いを理解することです。この理解があれば、仕事の流れや自分の役割をより明確に把握できるようになります。
最後に、SEはシステムやプログラムだけでなく、時にはプロジェクト全体の進行管理や改善提案も行うため、IT業界で非常に重要なポジションです。これからIT業界に関わろうとしている方は、SEの役割を理解しておくと、業務の全体像が見えやすくなります。