5、6年前に知人の社長から『父親の徘徊が怖いんだが役に立つツール何か無い?』とわざわざ電話をいただいた。徘徊は家族がとても悲しい思いをすると聞いた事がある。
困っている人がいるとがぜん力が湧き出す技術屋である。
そこで考えたのは、Android 携帯でGPS機能を使って所在地を常にクラウドに3G回線で送信し、自宅から半径50m内から離れたら一斉に近親者やケアマネ等あらかじめ登録したメアドにメールを飛ばし、かつGoogleMap上に現在地をマークするシステムであった。
早速作って自分の携帯にセットし、試験稼働。最近のGPSは優秀で、道の左右車線まで判別がつく正確さ。昔はひどい時は200mくらいズレたのに。徘徊ツールとしては十二分な精度である。
クラウド上には携帯から刻々と送られて来る緯度と経度をデータベースに蓄積しつつ、登録座標(自宅)から外れたらメールを送るコビトさん型常駐ソフトが動いている。
我ながらまとまった良い出来ばえだ。技術屋はほとばしる自分の才能が脳から溢れ出るのを禁じ得なかった。
さっそく社長に勧めたら、『携帯なんか持って徘徊してくれないと思うけど、一般的には靴も履いてないくらいだから…』と一言。
『そこを何とかお父様と折り合いをつけてもらえませんか…』とは口が裂けても言えなかった…。
技術屋ははたまた無用の長物を作ってしまったのだ…。
そしてまた困っている方や世間様のお役に立つシステム探しの果てしない旅に出る技術屋でした。
