こちらのブログも社内だけではなく対外的な広がりをみせておりますので、
簡単に自己紹介させていただきます。
はじめまして、
経営企画室で室長をさせて頂いている元ホテルマンの鎌田洋司と申します。
もう一つの顔がありまして、ホテル学校やセミナー等に出没したりもしています。
どうぞ宜しくお願い致します。
さて、
CI(私はクレド担当)に絡めていく前に少しホテルの話をしたいと思います。
社内でも話したことのないネタですが、長いので暇なときに読んでね。
今後内容はどんどんクレドっぽいところへ変化していきますが、
今日はまず、SYSが顧客とするホテルやホテルマンってどんな人?
というテーマで、私が経験したホテルでのエピソードを紹介します。
入社時は、東京ヒルトンインターナショナルというホテル名でしたが、
現在はヒルトン東京に変更されています。
時は1989年‥
ワンレン・ボディコン、マハラジャ、ジュリアナ、キング&クイーン
忘れてはいけません。扇子がありました(笑)
バブル全盛期にホテルに就職ですから勘違いもありました。
当時のホテルの顧客は、どう稼いだのか分かりませんがリッチでした。
といいますか、金遣いが荒かった(人が多かった)
ホテルの顧客に遊びに連れて行っていただくことも多かったです。
とにかく、仕事も遊びも毎日が楽しくてビンボーなのに毎晩遊べていました。
そのヒルトンで10年、Rooms Divisionを経験。
多分に洩れず、ハウスキーピングからはじまりベル、フロント。
あとPRも手伝っておりました。
当時のヒルトンマン(東京ヒルトン出身者のことをいう)は、予算達成の精神が強く、
「あと1部屋、あと1円」の世界でやっておりました。
プランに足りないときなどはユニフォームのまま駅周辺に呼び込みまで行って、
酔った顧客と仲良くなり一緒にタクシーで戻り、そして自らチェックイン。なんてことも。。。
以外にそういう顧客がリピーターになってくれたりすることが多く、
ホテルマンとして幸せな時代を過ごしました。
時代は前後しますが、ベルの時代。
シャネル会長の来日が楽しみでした。
なぜか会長に気に入られ? 客室(もちろんSUITE)にある書類をオフィスまで届け、
奇麗なsecretaryと会話するのが楽しみの一つでした。(実際には2回だけ)
あと、後始末する役目が回ってくることが多かった。
積み忘れた荷物を顧客の待つNRT(成田空港)へ何度も届けました。
必ず急ぎなのでホテルのユニフォームのまま行くと、空港の職員と勘違いされ、
トイレの場所やチェックインの方法を教えたりすることが楽しくて、
荷物を届けた後も勤務中でありながらNRTでフラフラするのがとても好きでした。
極めつけは、
大阪のロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル)まで最終の新幹線で、
35kgあるトランク(スーツケースじゃないよ)を届けたこと。
そして、その東京発-新大阪行き最終の新幹線は、、、
「シンデレラエクスプレス」だったのです。
覚えている方もいると思いますが、日曜日の最終です。
当時、JR東海のCM(「きっと君は来な~い♪」)で有名だった、
遠距離恋愛をテーマにした新幹線に乗車するとは思いませんでした。
例えば、
金曜日、仕事が終わって新幹線で彼の待つ東京へ
そして、週末を一緒に過ごし、日曜日もギリギリまで一緒にいたい!
だから最終になってしまうのです。
それが、シンデレラエクスプレスです。
なので、ホームはそんなカップルでいっぱいでした。
そこに(ユニフォームこそ私服に着替えましたが)一人、
デッカイトランクをもった男は場違いな存在。
しかも、重たいし大きいし大変なんです。トランクを運ぶのは。。。
その有名ブランドのトランクは、持ち主が運ぶことなんぞ想定していません。
スーツケースのようにタイヤなど付いていません。丸みもありません。
角が太ももに当たりアザだらけになったことを思い出します。
みんなが集めたチップボックスのお金から自由席の資金しか出してもらわず、
(当時チップはみんなで山分け。その山分けが減るから。。。なのでしょう)
満席の新幹線の中、空席を探しましたがどこにも見つかりませんでした。
結局、重たいトランクを出入り口付近に置き、トランクに腰掛け出発を待つ。
これで少しは快適に新幹線ライフを過ごせると思っていました。
しかし!!!
そこは別れの現場だったのです。
彼女が新幹線、彼はホームというシチュエーションです。ご想像ください。
ドアが閉まる前は、抱き合ってキスの応酬。
ドアが閉まると、二人は自然とガラス越しに手を合わせます。
(映画やドラマだけではなかったのだ!)
彼女はもう泣き出しそう。。。
出発の合図。
しばらくして、新幹線はゆっくり走り出します。
ガラス越しに手を合わせた彼はゆっくり歩き出します。
まだ手を合わせています。(ランニング程度のスピード)
「危険ですから車両から離れてください」
のアナウンスも聞こえないのでしょう。彼はまだ手を合わせてます。
新幹線の中で彼女が「もう危ないから」と言いだしました。
(外を見すると結構なスピード)
もう手を合わせられるスピードではありません。
しかし、彼は真剣に走ってます。
と、そのときです。
彼は駅員に腕を捕まれ、ガラスから姿を消しました。
彼女はガラスに顔を斜めに押し付け、その様子を最後まで見て泣いていました。
現在ならその後、電話したりメールしたりするかもしれませんが、
当時、一般庶民がケータイなど持つ時代ではありません。
しばらくして彼女はその場から消えましたが、また戻ってきました。
どこもいっぱいで落ち着ける場所がなかったのでしょう。
(それかただのトイレか?)
私はその彼女と新大阪まで同じ空間にいたこともご想像ください。
息が詰まる思いでした。
きっと、新幹線のドア毎に同じようなドラマが生まれていたと思うと、
遠距離恋愛のパワーには脱帽です。
こんな熱い恋愛をしたい人は、間違いなく遠距離恋愛がおすすめです。
ケータイのある今、この時代のようにいくかはわかりませんが。。。
(因みに、私は遠距離恋愛の経験ありません)
ホテルマンの話からいつの間にか恋愛の話になってしまいましたが、
ホテルは決める場所。原点はそこにあるというのが私の持論。
私が「こんな人にサービスして欲しい!」と思うホテルマンは、
みんなエロいしカッコいい!
そしてスマートで紳士淑女。おもてなしの心が備わっています。
ホテル学校で学生によく言うことがあります。
「電車で席を譲ったことのない人は、本物のホテルマンにはなれない
今からでも遅くない!他の業界を探しなさい!
でないといずれ苦痛になって辞めることになる。
自分にとっても、ホテルにとっても、顧客にとっても不幸なこと」
何となくホテルマンのことが分かってくれたかな?
今回改めてホテルマン時代を思い出しましたが、きっと大変なこともいっぱい
あったはずですが、楽しい思い出しか出てきません。
(なぜだろう? きっとオヤジだから。。。)
10年ホテルマンをやるとエピソードはまだまだ沢山あるんです。
・鎌田がいない!拉致事件!?
・顧客ガムテープぐるぐる巻き事件
・怪しいスカウト などなど、
ここでは記せない内容もありますので、いずれフィクションとして掲載してみようかな?
今日はここまで。
次回から、ホテルでの接客の話なども織り交ぜ、クレドっぽいところへ進みたいと思います。
また、接客される方もホスピタリティがないとホテルで良いサービスを受けられない!
なども紹介します。
最後までありがとうございました。鎌田