WindowsXPをお使いの皆様へ | 和歌山のシステム開発のことなら株式会社システムキューブ

WindowsXPをお使いの皆様へ

WindowsXPのサービスパック2(以下SP2)は先日、マイクロソフトが正式にサポートを終了しました。
今後WindowsXPを使い続けていくためには、サービスパック3を適用しなければなりません。
SP3を適用すれば、今後も正式なサポートが続きますので、特にネットワークにつなげて使用されている方は、必ずSP3の適用を行ってください。


2001年にリリースされたWindowsXPですが、いまだに企業ユースなどを主に、使われ続けているのは、サポートされているソフトウェア、ハードウェアの幅が広いことが一つの原因でしょう。
マイクロソフト社は後方互換性ということを大事に、Windowsのリリースを重ねてきた歴史があります。
古くはWindows3.1などの16bitシステムから、Windows95シリーズ、Windows2000の資産をできるだけ引き継ぐことを目的に、多くの努力と蓄積を行ってきました。


近年リリースされたVISTAはこの後方互換性をある程度断ち切ることから、新しいパフォーマンスと安全性を引き出す目的で開発されましたが、これは一部受け入れがたい現場も多く、普及は思うように広まりませんでした。
Windows7になって後方互換のためにXPモードを用意したり、周辺機器のドライバなども整備されてきたため、リリース10年目を迎えるXPからWindows7への移行を考える方も多いのかもしれません。


このVISTAが行ったような大胆なアップデートとして、WindowsXPのSP2がありました。
これは古くから使われているOSの様々な部分が今日的なセキュリティーとマッチせず、今後次々と脆弱性を攻撃され続けることを脅威と考え、OSの様々な部分に全面的な改訂をくわえたものでした。
そのため、古くから使っているアプリケーションや周辺機器はSP2を適用すると動かなくなるというような事態が数多く発生しました。

これはXPの新バージョンとして、有償で配布することもできるぐらいの大規模なバージョンアップです。しかしマイクロソフトはこれを無償のサービスパックとしてリリースしました。


当時の背景として、XPの次世代バージョンといわれたコード名Longhornの開発が大幅に遅れていたということがあります。結局LonghornはVISTAという形で落ち着くのですが、そこに至るまでXPを使い続けてもらう必要性をマイクロソフトも感じていたのでしょう。
SP2以降、セキュリティーセンターが作られ、ファイアウォール、アンチウィルス、定期セキュリティーアップデートが必須となりました。
これはMSBlasterワーム事件などで、Windowsが使い続けられなくなる(=信用に足りなくなる)可能性を大きく減らしました。
Windowsの脆弱性はいまでも修正され続けていますが、今のところそれを利用した大規模な攻撃は起こりにくくなっています。


その結果、WindowsXPは発売開始から10年たっても利用者数がダントツに多いOSとして君臨し続けることとなりました。
OSのメジャーバージョンがこれだけ長く生き続けるのも、他のOSではなかなか珍しい事態となりました。
SP2というメジャーバージョンアップ並みのテコ入れが、結果VISTAの普及を遅らせるという因果を生んだのは、なかなか複雑にかみ合った条件の結果なのです。

そのSP2のサポートも終了ということで、ある意味ひと時代の区切りになるのではないかと思います。
XPをお使いの方はかならずSP3を適用して、定期セキュリティーリリースも必ず適用するようにしてください。