Internet Explorer6が撲滅されない理由 | 和歌山のシステム開発のことなら株式会社システムキューブ

Internet Explorer6が撲滅されない理由

InternetExplorer6(IE6)は使わないで、という流れがWEB系業界にあります。流れというか、魂の叫びに近いものです。

しかしながらIE6のシェアは0にはなりません。むしろいまだ20%代という高い水準を維持しています。

Microsoft自身もIE6は10年前の腐った牛乳で賞味期限切れ、というコメントを出しさえしています。

ここまでIE6のシェアが高いのは、Windows2000とWindowsXPがあまりにも長い期間君臨し続けていたことが原因でしょう。

またIE6が最先端ブラウザであった当時、MicrosoftがActiveXという技術を前面に打ち出したことが、捨てられない原因の一つとなっています。

Microsoftには大々的にテクノロジーを売りだして、結局別のテクノロジーを新たに押し出して乗り換えたり、縮小して、なくしてしまったりという悪癖を持っています。
ActiveXは今でも使われていますが、新たに作りだされるWEBサービスでActiveXが必須というプロジェクトはもはや無いのではないでしょうか。
しかしActiveXを基盤としたシステムというものは残っているもので、これがIE7やIE8であると互換性がなかったりすることもありえます。

そんなシステム捨ててしまえばいい、とWEBエンジニアは叫ぶかもしれませんが、大枚をつぎ込んで作ったプロジェクトであったり、べつなシステムにリプレースする予算がなかったりするということは十分あり得る話です。

そういった背景があったりするため、WindowsUpdateですべてのIE6を根こそぎアンインストールして、IE8に置き換えてしまうという方法はとれないようです。業務に支障が出たというクレームは避けたいものです。

ほとんどの人がブラウザにこだわりがないというのも、原因の一つでしょう。

いままでどおり、インターネットができていればいい、別に新しいやり方を試す必要がないという意見で、かつ、WindowsXPを使っているユーザーの数はかなりの数に上るのではないでしょうか。
そういう人にIE6を使わないことで得られるメリットを説明するのは難しいことかもしれません。
IE6は欠陥がある、セキュリティーリスクである、というやり方で啓蒙する方もおられます。でも実際のところ、IE6をFirefoxに置き換えることにリスクを感じるユーザーがいることも同じくです。
javascriptやCSSの実装の程度の差がIE6を使わないでほしい理由である場合は、セキュリティーなどを引き合いに出してIE6からの脱却を促すのは難しいことかもしれません。
FirefoxやChromeにセキュリティーリスクがないわけではありませんし、頻繁にアップデートもかかっています。

セキュリティーの問題でいえば、IE6についてはリスクを検討済み、その他ブラウザについてはリスクを未知としてインストールを制限しているような職場もあるかもしれません。
特にセキュリティー監査ソフトなどを入れているような現場で、フリーウェアのブラウザをインストール可にしているところは思っている以上に少ない気がします。

個人ならいいんですが、企業にFirefoxやChromeを標準ブラウザにさせる試みはかなりハードルが高いです。なんだかんだでMicrosoftのネームバリューは大きいのです。
IE6の脆弱性をついた大規模な0Day攻撃(MSBlaster級のでかいの)とかがあれば、ブラウザシェアは一変することでしょう。いまどきあそこまでの脆弱性が残されていないとは思いますが。

IE6が撲滅されないのは、こんな理由が考えられると思います。