ECBは、ユーロ諸国主要130行のうち、19%に相当します25行が自己資本比率を満たしておらず、その自己資本不足額は総額で250億ユーロ、円換算で3.4兆円になっていると発表しています。

これはあくまでも主要銀行の話であり、中小金融機関まで不足額を拡大させれば、軽く5兆円を突破するかも知れません。

今後この自己資本をどのようにして増強させるかになりますが、金融緩和を更に進めたとしましても、3兆円を超える不足を埋めるのはそう簡単にできるものではありません。

今の株高を利用して資本増強となるのでしょうが、株式の希薄化を嫌って株価が売られるのは目に見えており、
そうなれば、更に増資をするとなり、それを嫌って更に株価が売られるとなり、負の連鎖に陥ることになり兼ねません。

ユーロ圏の金融市場は次第に動揺をすることになりますが、問題はユーロ圏金融機関がドル資金を調達できるかどうかにかかっています。
複数の大手金融機関でドル決済資金が不足するようなことが起これば、ECBも対応が出来ない事態になるかも知れません。