太陽光を反射させて光を集め、水素を作り出す国内最大級の装置が宮崎大に設置され、
6日、同大で完成式典が開かれた。新潟大との共同研究で、水素の安定供給などを目指す。
県は自動車や燃料電池などへの活用が見込まれるとして、県内企業への技術移転などを期待している。
(尾谷謙一郎)
「ビームダウン式太陽集光装置」と呼ばれ、精密光学機器メーカー「三鷹光器」(東京)が開発した。
宮崎大の駐車場南側の敷地3600平方メートルに直径50センチの反射鏡(ヘリオスタット)880枚を設置。
太陽の動きを追尾して向きを変え、中央のタワー(高さ16メートル)にある楕円(だえん)鏡に太陽光を集め、
真下の光濃縮装置に再反射(ビームダウン)させる。
光濃縮装置では1400度程度の高熱をつくり、鉄酸化物を使って水を酸素と水素に分解する。
太陽電池の原料となる金属シリコンを製造する研究も進めるという。
年内に光濃縮装置を設置し、来年9月頃から水素を製造する研究を始める。
県は昨年度、「新エネルギーの拠点づくり事業」として5000万円を計上しており、全体の事業費は
1億数千万円になる見込み。2020年頃までの実用化を目指す。
過去30年の県内の平均日照時間は年間2116時間で全国3位。式典には県や宮崎、新潟両大学などから
約100人が出席し、宮崎大の菅沼龍夫学長は「日照時間が全国トップクラスの宮崎は、太陽エネルギーの活用に
最も適している。この装置を最大限に活用し、太陽集光技術の研究拠点として世界に発信したい」とあいさつした。
河野知事は「恵まれた日照時間を利用した最先端のプロジェクトの始動を誇らしく思う」と述べ、テープカットをして祝った。
