国際通貨基金(IMF)は、自動的な歳出削減が迫る米国の財政見通しに「著しい懸念」を表明。景気を支えるため、支出をもっと緩やかに削減するよう呼び掛けた。IMFは16日公表した財政状況に関する半年に一度の報告書「財政モニター」で、減税の失効と2011年に成立した財政管理法で義務付けられた自動的な歳出削減は、米国内総生産(GDP)の4%余りに相当する緊縮財政になると説明。
「財政政策が自動化され、赤字が急激かつ突然に減少する『財政の崖』をもたらす政治的な行き詰まりリスクが米国にある」と分析した。米議会では共和党が、財政政策を引き締めようとする動きの中で増税を排除しようと試みている。税制優遇策の打ち切りが国庫にもたらす収入を、財政赤字削減よりも税率引き下げに充てるべきだと主張している。
IMFは米国と日本に対し、単に増税するよりも税控除や根拠のない特別措置を打ち切ることで財源の拡大に努めるべきだと論じた。報告書はまた、先進国の財政赤字が対GDP比で今年は約0.75%、来年は1%減少するとの見通しを示し、「これは財政の持続性回復と成長支援の間の妥協的な水準だ」と指摘。その上で、「名目上の財政赤字目標に注力し続けることは、成長が弱まった場合に過剰な財政引き締めを強制するリスクを冒す」と警告した。
報告によると、先進国の財政赤字はGDP比で今年5.8%、2013年は4.7%が見込まれている。4月の報告では、5.7%と4.5%だった。スぺインについては今年が7%、来年が5.9%としている(4月時点の予想はそれぞれ6%と5.7%)