米銀JPモルガン・チェースがエネルギー市場での不正操作の疑いに関する連邦当局の調査で電子メールの提出を拒否したことで、多方面からの調査に直面する同行のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は新たな試練にさらされそうだ。
米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は2日、JPモルガン・ベンチャーズ・エナジーによるカリフォルニア州と中西部地域での電力市場価格操作疑惑に関する調査で、25件のメールの提出を命じるよう裁判所に請求した。FERCの文書によると、JPモルガンによる入札での行為は不正だとするカリフォルニア州および中西部の送電事業者の指摘を受けて昨年8月に調査に乗り出したという。
フィラデルフィア連銀の元審査官で現在はFBRキャピタル・マーケッツのアナリストを務めるポール・ミラー氏は、ダイモンCEOが「企業イメージの悪夢に直面している」と指摘。「再び大見出しで報道されるリスクがあり、それは過剰規制につながりかねない。最終的には業績に打撃が及ぶ」と語った。
米銀最大手のJPモルガンは、ダイモンCEOが「常識を逸脱した」と呼んだロンドン部門の20億ドル(約1600億円)の損失を開示して以来、リスク回避姿勢を取るよく管理された銀行という企業イメージを維持できなくなっている。ダイモンCEO(56)は損失が30億ドル以上に膨らむ可能性があると述べているが、ポータレス・パートナーズのチャールズ・ピーボディー氏らアナリストの間では50億ドル程度に達するとの見方もある。
JPモルガンは損失原因と情報開示についてSECや司法省などの調査を受けている。英米の銀行がロンドン銀行間取引金利(LIBOR)を不正操作した疑いをめぐる国際的な捜査も同行に痛手となる可能性もある。英銀バークレイズはLIBOR不正操作問題で2億9000万ポンド(約360億円)の制裁金を科され、ロバート・ダイアモンドCEOら経営トップ3人が辞意を表明した。