一体誰が、過去4年にわたり毎年、国債発行額より税収が少ない政府の債権を持ちたいと思うだろうか。また、国の経済規模の2倍を超える公的債務の一部を所有したいと思う人がいるだろうか。
■押し寄せる海外投資家
  実は大勢いる。かつてない勢いで外国人投資家が日本の国債市場に押し寄せている。日銀の発表によれば、今年3月の年度末時点で海外投資家の国債保有高は国債残高全体の8.3%を占め、過去最高を記録した。それ以降、外国勢の保有比率はほぼ確実に上昇している。ギリシャとスペインを巡る不安の再燃で、世界中の資金が日本国債に逃げ込んでいるためだ。
 ゴールドマン・サックスのエコノミスト、馬場直彦氏(東京在勤)は日本以上に安全な避難先はないと主張する。同氏は、リターンとリスクのバランスを示す「シャープレシオ」で見た場合、30年物日本国債のリスク調整後の利回りは、同じ30年物の米国債の約3倍、ドイツ国債の4倍の高さだと指摘している。「この市場には有効な一時的避難所になれるだけの規模と流動性がある」と馬場氏は言う。
■日本国債の利回りは「十分良い」
 だが、外国人投資家の関心の高まりは日本国債に2つの大きな問題を提起するとアナリストは語る。新規参入組は今より高い利回りを求め始めるのか。また、もし外国人が撤退したら市場に害が及ぶのだろうか。
 最初の問いの答えは恐らくノーだろう。少なくとも当面は。他の先進国市場のイールドカーブが日本のそれに近づくに従い、投資家はあまりえり好みしなくなっている。例えばマイナス利回りのドイツ国債と比べて、1年物の日本国債の利回りである9ベーシスポイント(100ベーシスポイント=1%)は「十分に良い」とバークレイズの債券・金利トレーディング部長、永井秀樹氏は言う。
 さらに、ユーロ圏のソブリン債務危機に起因する世界的なドル資金不足は、通貨スワップを利用した場合の日本国債の利回りを押し上げた。為替ヘッジした日本国債の対米国債の金利上乗せ幅は現在、3カ月物で47ベーシスポイント、1年物で55ベーシスポイントだ。JPモルガンの債券ストラテジスト、山下悠也氏は、ユーロ危機が続く限り「資金力がある実需の投資家はドルポートフォリオの利回り拡大のためにマイナスの通貨スワップを利用するだろう」と話している。
■外国人の売りの影響受ける国債市場
 一方、外国人の撤退が日本国債に害を及ぼすかどうかの答えは恐らくイエスだ。この1年半の大半で、外国人が購入を拡大した日本国債は短期債に集中してきた。短期債の外国人保有比率は今年3月末時点で18.5%と、2年前の10.6%から大きく上昇している。短期債は市場全体の中でも、残存期間が3年以下の国債を数兆円分購入すると確約している日銀が最も大きな影響力を持つ部分だ。
 しかし最近、外国人投資家は国内金融機関から国債を買い取って、イールドカーブをじりじり上昇させ始めている。今度はより高い利回りを求めて保有国債の残存期間を長くしているのだ。例えば過去2カ月間で外国人は比較的長期の日本国債を約9000億円買い越しており、今年4月には超長期国債(残存期間が10年以上の長期債)は突如6000億円もの大幅な買い越しとなった。2007年以来初めてだ。
 日本の国債市場は安定しているが、外国人主導の売りの影響を全く受けないわけではない。例えば08年春には海外のヘッジファンドが円のスワップスプレッドに対する賭けで大損を出し、国内の保険会社が買いに入るまで3カ月間で10年債利回りが50%近く高騰した。今年3月にはトレンドを追う投機筋が日本国債先物を大量に売ると、現物債の利回りが一時的に跳ね上がった。アナリストらは10年秋のいわゆる「小沢ショック」も覚えている。財政改革を掲げた当時の菅直人首相を相手に小沢一郎氏が民主党代表戦で挑み、投資家が怖気づいた。
■価格下落の引き金になるか
 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの債券ストラテジスト、大崎秀一氏(東京在勤)は外国人投資家が価格に対してより強い影響力を持つようになった今、財政の失策に対する積極的な「チェック」役を果たすかもしれないと言う。
 財務省で国債管理政策を担当する野田恒平氏は、新たな需要源は理論上は良いことだがリスクも伴うと認める。「外国人の参加率が上がれば、外部に起因する要素が日本国債市場に持ち込まれるリスクが高まることは否めない」 もちろん市場には多くの安定化要因がある。支援姿勢を強める日銀に加え、銀行は預金と融資の大きな溝を埋めるために国債を買い続けなければならない。だが、外国人投資家が日本国債の価格を上昇させたのだとすれば、彼らは同じくらい容易に価格を再び下落させることもできるはずだ。

上海総合株指数が1.63%安の2,224で終わり、この影響を受けてヨーロッパ株が軒並み下落し、ドイツが1.43%安、フランスが1.1%安、イタリアが2%安となっています
中国経済の崩壊を相場が織り込み始めているもので、今まであらゆる商品を飲み込んできた中国が溜めこんできた過剰在庫を放出すれば、商品価格は更に急落・暴落するでしょうし、これが新興国からの資金流出を更に加速させ、金融不安を惹起させます。