米銀JPモルガン・チェースのチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)部門での20億ドル(約1600億円)のトレーディング損失は、同行の単体格付けを3段階引き下げた「重要な要因」になったと米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは説明した。
JPモルガンはムーディーズが21日に格下げした世界の銀行15行の1行。ムーディーズによると、JPモルガンの単体格付けは「aa3」から「a3」に3段階引き下げたが、連邦政府からの支援の可能性がなければ格付けはさらに低下していたという。
ムーディーズは同日の発表資料で「世界的に事業展開する複雑な銀行組織のリスクを監視・管理することがいかに難しいかをこのことは示すとともに、こうしたリスクの不透明性を浮き彫りにする」と指摘。JPモルガンの2011年総収入の26%を占めた資本市場ビジネスなども単体格付けに悪影響を及ぼしたと付け加えた。
資料はまた、デフォルト(債務不履行)に陥った場合には米政府が同行の債券保有者と債権者を支援する「可能性が非常に高い」という想定からJPモルガンが恩恵を受けていると分析。政府支援の可能性がなければ、JPモルガンの長期預金格付けは3段階下がり、優先債務格付けはさらに2段階低下していただろうと説明した。
JPモルガンの広報担当、ジョー・エバンジェリスティ氏はムーディーズの発表についてコメントを控えた。ムーディーズはJPモルガンの長期優先債務格付けを2段階引き下げ「A2」に、長期預金格付けも2段階下げ「Aa3」とした。