米上院財政委員会のボーカス委員長(民主党)は11日、シンクタンク「超党派政策センター」向けの講演で、米国が欧州のような財政危機に至りかねない「危険な道」にあると指摘した。そのうえで、税収増を図ることと、企業の海外への利益・雇用の移転にインセンティブを与えるのを止めるよう求めた。
委員長は集まった各議員に対し、11月6日の大統領選と議会選挙の後に迫られる一連の「歳出の自動削減、減税失効をめぐる極めて重大な決断」について、年末までに解決するよう強く要請。解決に至る明確な道筋は示さなかったが、米議会における焦りを反映したものといえる。
民主、共和両党の意見の隔たりから、米議会は過去2年間、歳出削減計画と税制改革をめぐって最終的な決断を先送りにし続けている。
ボーカス委員長は「われわれは危険な道にある。われわれが行動しなければ、一部の欧州各国のような財政危機に向かうことになる」と述べた。
民主党議員の意見を反映し、税制改革では歳入が増えるようにしなければならないと指摘。これは、増税せずに歳出カットを重視する共和党側の交渉スタンスと相いれないものだ。
委員長は「数学的にみて、逃げ場はない」と指摘。詳細な内容は説明しなかった。
米国の企業税制では、企業が海外で稼いだ利益を米国に還流させる場合には課税対象となるが、企業関係者によると、こうしたシステムにが、企業がオペレーションを海外に移し、利益を国内に還流させずに海外にとどめておくインセンティブとなっているという。
ボーカス委員長は講演で、他国は「自国の企業を海外に移転させないような税制にシフトしているほか、海外への利益移転に対し、厳しい規制を課している」と指摘した。