スペインが銀行救済に向けて1000億ユーロ(約10兆円)規模の
支援を要請する方針を表明したことから、イタリアが次に欧州の債務危機で最前線に立たされる
ことになる。選挙を経て発足してはいないモンティ伊政権には市場の混乱に屈服しないよう求める
圧力が強まる。
グレンデボン・キング・アセット・マネジメントで1億5300万ドルの運用に携わる
ニコラ・マリネリ氏は「イタリアに対する監視は厳しいし、スペイン対応の後だけに、監視の目が
弱まることはないだろう」と指摘。
「今回の救済はイタリアが攻撃を受けるという意味ではないが、投資家はイタリア国債の売買を
決める前にあらゆる情報に注意するという意味だ」と付け加えた。
イタリアが抱える債務は2兆ユーロを超え、国内総生産(GDP)比では先進国で
ギリシャと日本に次ぐ高水準。イタリア政府は毎月、ユーロ圏の小国キプロスとエストニア、
マルタの年間GDPを上回る350億ユーロ強の国債を発行する必要がある。
スペインのデギンドス経済・競争力相は9日、1800億ユーロを超す不良資産を抱える
銀行システムのてこ入れに向け、ユーロ圏に最大1000億ユーロの金融融資を要請する考えを
表明した。スペインの銀行と国家財政の状況をめぐる懸念が強まる中、同国の借り入れコストは
先月、ユーロ導入後で最高に近い水準に達し、イタリアの金利上昇につながっていた。
スピロ・ソブリン・ストラテジー(ロンドン)のマネジングディレクター、ニコラス・スピロ氏は
「イタリアにとって問題なのは、スペインの行く先にイタリアも追随するとの見方が常に
存在することだ」と指摘。
「金融市場では十分に区別されていない。スペインのファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は
イタリアに比べると非常にひどいことは明白であり、これまでもそうだった。
そうした差があっても、イタリアがスペインの感染で悩まされる状況に歯止めがかかっていない」と
分析した。