一度悪くなってしまった姿勢はなかなか直すことができません。特にねこ背はクセになって
しまうと、立っているときも座っているときも背中が丸まってしまい、見た目が悪くなるだけで
なく、太りやすくなる傾向もあるようです。

 ねこ背を矯正し、ピンと背筋が伸びた正しい姿勢になるにはどうすればいいのでしょうか。

 よく言われているのは、足の重心の位置です。ねこ背になるときは正しい位置よりも重心が
つま先側によっています。すると前屈みになってしまいますから、腰を後ろに引いてバランスを
取り、倒れまいと上体が“くの字”に曲がるのです。

 逆に踵に重心を乗せてみると、後ろに体重がかかるため、腰が前に突き出て逆側に上体が
曲がります。そうすると多くの人が考えている「胸を張って背筋がピンと伸びている」という一般
常識としての良い姿勢の条件が満たされることになります。

 しかし、一般常識だから正しいという保証はないと警鐘を鳴らすのが『ねこ背は治る!』
(自由国民社/刊)の著者である小池義孝さんです。

 小池さんは、一般常識だからそれが正しいと思われがちだが、必ずしもそれが公式に認定
されたものではないといいます。この姿勢をただす際の重心の位置もそう。小池さんは実は
重心を意識すべきは踵ではなく、スネのところにある2本の骨の内側の太い方、脛骨だと
いいます。

 そもそも骨盤と上半身は大腿骨によって支えられています。だから膝立ちの姿勢をしてみると
身体を支える姿勢を作り、姿勢が安定します。骨が自然と立っている状態、膝立ちをしたときに
楽にスッと伸びる背筋が、正しい姿勢となるのです。

 しかし、大腿骨から足の裏までは遠いため、その間にある脛骨がカギとなります。足を肩幅
くらいに広げ、スネの太い骨(脛骨)を意識して体重を乗せます。場所は足の裏でいうとやや
踵よりの内側ですので、少し内側に絞るイメージを持つとよいでしょう。そすると、背筋がピンと
伸びているのではないでしょうか。

 小池さんは、ねこ背は「結果」ではなく、足の裏の間違えた重心のせいで倒れそうになっている
身体を支えるための「手段」だと述べます。その「手段」を矯正して治そうと無理に一般的な“
良い姿勢に見えるもの”をつくっても、身体がまたつらい思いをするだけです。

 小池さんは、この事実を伝える発信源として『ねこ背は治る!』を執筆し、一般常識を変えて
いってほしいと読者に期待します。ねこ背の他にも呼吸や腕力、歩行スピードについて述べられて
おり、また小池さん自身が気功の先生であるため、精神的な部分の改善も期待できます。

 何はともあれ、まずは本当に背筋がピンとなるのか実践してみてください。