欧州中央銀行(ECB)は12日公表した月報で、景気回復のペースが鈍い中、
ユーロ圏の企業および家計の融資需要は向こう数カ月にわたり低迷するとし、
インフレリスクも引き続き抑制されるとの見方を示した。

「先行指標は、家計・企業(金融除く)の融資需要の落ち込んだ状態が続く公算が大きいことを示唆しており、
経済活動が低調な中、借り入れ需要の低迷は少なくとも2012年上期まで継続する見通し」
と分析した。
ECBが1兆ユーロ超の資金を供給したにもかかわらず、
先行き不透明感から借り手が二の足を踏んでいるとしている。

また
「銀行がバーゼルIII(新銀行自己資本規制)への対応を迫られていることも、
与信を下押ししている可能性がある」
と指摘した。

金融市場では、スペイン・イタリアが危機の新たな震源になりかねないとの懸念が浮上する中、
ECBの長期資金供給による効果がすでに息切れしつつあるとの見方も出ている。

月報は、オペ資金による真の効果が「明らかになるまでに時間を要する」との
ドラギECB総裁の考えをあらためて表明。
潜在的な信用収縮の脅威を軽減する一助となったとの見解を示した。

また金融機関に対しても財務強化に向けた時間的猶予を与えたとしたが、
供給した流動性は完全な解決策にはなり得ないとも指摘。
流動性は、銀行事業における不意の収縮を回避した一方、
金融政策の正常な波及を完全には回復しないとの見方を示した。