シャープが台湾・鴻海精密工業との資本業務提携を決めたことについて、株式市場からは「当面の財務不安が薄れるとと
もに、一定の提携効果も期待できる」(大手生保)と、ひとまず好意的な声があがる。

 だが日韓の家電メーカーの業績の差は大きい。韓国サムスン電子の2011年12月期の純利益は13兆7300億ウォン(約
9600億円)。一方、パナソニック、シャープ、ソニー3社の12年3月期の最終損益は合計で1兆2900億円の赤字を見込む。国
内勢は自己資本比率や設備投資額などでもサムスンに大きく水をあけられている。

 シャープの株式時価総額は27日時点で5497億円(約66億ドル)と、韓国サムスン電子の28分の1。パナソニックとソニーを
加えた家電3社でもサムスンの3割弱と、日本勢の株式市場での評価はアジア企業に大きく見劣りする。

 サムスン電子など韓国企業と国内勢との時価総額の差が目立ち始めたのは09年春。韓国企業が新興国市場の開拓で先
行、通貨ウォン安も追い風となり輸出がいち早く持ち直した。多機能携帯端末などで米アップルが急成長するのに伴い、昨
年末からはアップルに製品を供給する鴻海精密工業など台湾メーカーの時価総額も日本企業を引き離しつつある。

 シャープの今回の提携を機に、同様に社長が交代するパナソニック、ソニーも「新体制のもとで大胆な経営再建策を打ち出
しやすくなった」(国内投資顧問の運用担当者)。市場の期待にこたえられるかが急務だ。