1.ユーロ危機

ECBの前専務理事で、昨年ECBが大幅な金融緩和を行ったことに対して抗議し辞任したシュタルク前専務理事
は、『ユーロ圏はいまだ危機から脱出しておらず、インフレのリスクが高まっている』と警告しています。

具体的な発言内容は以下の通りです。

1)現在は正常な環境ではなく、世界の金融政策は超緩和的で、大半の先進国では財政政策も非常に緩和的となっており、このため、インフレ期待が変化する可能性がある

2)中央銀行がその使命に基づいてなすべきことを行う能力に対する信頼感が損なわれつつあり、我々はいまだ危機から抜け出しておらず、この危機とは、金融危機ばかりでなく、経済危機、公的財政危機も含む。

2.中国 : 悪化する経済

HSBCが22日発表しました3月の中国購買担当者景気指数(PMI)が48.1となり、2月の49.6を下回り、5カ月連続で景況感の分岐点となる50を下回り、中国経済の悪化が鮮明になってきています。

中でも新規雇用は2年ぶりの低水準に落ち込んできており、中国は失業率が跳ね上がる危機に直面していることになりますが中小企業の倒産が急増しており実態は想像を絶する失業状態になっているとも言われています。

この背景には、夜逃げ同然に経営者が失そうしている事例が数百を超える(一部では万単位とも言われています)と言われ、倒産しようにも倒産出来ない企業が数えきれない数に上っており、このため、失業率も正確には把握出来ない状態になっていると見られているのです。

また、以下のようなコメントも出てきています。

*PMIを構成する主要5サブ指数が全般的に下落したことは予想外の結果で、特に、今年は旧正月のタイミングのずれにより1―2月に低調だった生産活動が3月には回復すると見込んでいたアナリストの予想を裏切る形となった。

*ING(シンガポール)のアジアリサーチ責任者、ティム・コンドン氏は「今回のデータは、より深刻な問題があることを示している。(生産の低迷は)旧正月のタイミングだけが理由ではなかった。輸出ばかりでなく、内需にも影響が及んでいる」

*HSBCの中国担当チーフエコノミスト兼アジア経済調査共同責任者、屈宏斌氏は、「新規輸出受注が低迷しているほか、内需の落ち込みが続いており、中国経済の鈍化局面はまだ終わっていない。当局に対してさらなる緩和策を求める内容だ」

物凄い悲観論がアナリストから揃って出てきており、いつも強気のアナリストもとうとう、中国の実態経済を認識せざるをえない状態に直面してきていると言えます。

中国経済が大崩壊するのは避けられず、既に上海株は2007年高値から暴落していますが、今後更に半値になり、1000ポイントを下回りましても、何ら不思議ではありません。
勿論、その前には金融緩和を発表したり株買い上げを発表するでしょうが、それも効果は一時的であり、最終的には里帰りすることになるはずです。

日経平均も金融緩和で株価収益率で23倍以上に買われていますが、GDPが殆んど伸びない経済下では10倍でも良い位であり、PERだけで見れば上海株のように今後半値になりましても何ら不思議ではありません。

市場は強気一辺倒となってきていますが、相場の転換点はそのような時に起こるものであり、果たしていつ明確な反落を見せるかにかかっています。
日経平均1万円は3月末には何としても必要という事でしょうが、実態のない1万円であれば、期末が終われば崩れ始めます。
世界の金融緩和相場が、ヨーロッパを中心に徐々に効果が薄れてきており、いずれ日本にも波及するはずです。