武田邦彦 先生は、「再爆発の危険性が低く、もし危険が生じても逃げる時間があるか」と判断しているかということを繰り返して書きました。また、私はすでに大半の放射性物質が福島を中心として降り注いだのに、まだ福島原発のことを言うのは、多くの人の被曝から目をそらす負の効果を持つだけと思っています。
【理由】 第一に、原子炉は核反応が止まると急激に力を失い、1日で10分の1という具合に小さくなり、途中で小さくなりかたは弱まりますが、1年経つと運転中の400分の1以下になっていることです。
第二に、原子炉建屋の中に放射性物質が大量に放出されても、その運搬手段がなければ遠くには飛びません。それは「核爆発、水素爆発、水蒸気爆発」などの爆発力が必要です.現在の福島原発は4号機も含めて爆発の可能性がきわめて低くなっています.火災ぐらいの力では付近は影響を受けますが、10キロ以上のところに直ちに降り注ぐことはありません.
第三に、4号機には燃料となるウランがありますが、ウラン235が4%程度の原子炉用燃料は水が減速材として存在し、特別な立体配置にならないと核爆発を継続することはできません。従って「未使用の核燃料」があっても危険ではありません.
第四に、4号機のプールが大きく崩壊し、核燃料と水が原子炉の下に落下した場合、原子炉の下に水を注ぐことができますので、最低限の冷却ができます。また一部に穴があいて、水漏れが始まって徐々に乾燥した場合、燃料が加熱して融けたり破壊するまでにかなりの時間がかかると想われます.それは、2011年3月と比べると「発熱量」(放射性物質の崩壊速度)が400分の1以下になっています(少なくとも50分の1以下)。だから3月には燃料がとけるのに1日かかったとすると、今は50日とか400日かかるということを意味しています.しかも、3月に燃料棒が融けたのは原子炉内で直接水をかけられなかったのですが、現在は4号機のプールに水をかけることができます。
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福島原発が再爆発する、危険が迫っているということが言われる度に・・・すでに事故から20回ぐらいは言われていると思いますが・・・その度に、危険を警告している人の発言内容や技術内容を見ていますが、私が技術者としてなっとくできる説明はありません.
「4号機があぶない」・・・「日本はダメだ」というように説明なしにのものがほとんどでした。私たち技術者は「専門家同士は冷静に考えれば判る」ということを「科学」とか「学問」というのであり、またそれは「思想」などとは無関係です.
私と全く違う思想の人がご発言になっても、その内容が学問として納得できるものなら、同意します.それは科学者や技術者の基礎的な素養だからです.
福島原発より、セシウム再飛散の方がずっと危険ですし、原発再開の方が何10倍も危険です.また、人間のやっているものはいつも危険だという意識も必要で、「ゼロ(安全)か100(危険)か」ということもありません。
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専門家の先生のお知らせ・・・
武田さんは、現在あるような最善の条件が大地震による四号機倒壊時に保たれてるという前提で書いている。しかし、そんな甘いものではない。311のときのように.......
私ならフクイチで何をすべきか事故直後から考えた。第一に地下水汚染を予防するため、ただちにフクイチ敷地周辺に30mのシートパイルを打ち込む。これは絶対の課題だったが、なにひとつやらないことで東電が事故を解決する意思のないことが、はっきりと分かった。
第二に構内に作業員被曝を防ぐための構内遮蔽壁ラインを設置 1トンコンテナに水を入れて三段に重ねる。フォークリフトで自由に移動可能。これでガンマ線と中性子が遮蔽できる。安全な作業が可能になる 東電は作業員を毎時数シーベルトの環境に晒したまま平気でいる。
第三に4号機をはじめ冷却の必要な施設に対して三重以上の冷却系を設置、一つがダメになっても他の補完的システムで代替できる安全システムを構築。余震に備えて強度工作を重ねる。外部に高レベル瓦礫集積場を建設、内部の高レベル瓦礫をロボットで移動する。これで作業環境が大幅に改善される。
何よりも必要なことは地下水シールドライン設置、地上の高レベル汚染物質を集積する保管場をフクイチ付近に建設して周辺の汚染物を一カ所にまとめること。瓦礫焼却場もフクイチ付近に建設するしかない。
私はフクイチに残る1600トンの核燃料、4号機の使用済み核燃料200トンが余震によって崩壊、環境に拡散することが避けられないと昨年4月から書いてきた。もうすぐ起きる。対策といえば上空から生コンを投下してコンクリで埋め尽くす石棺作戦しかないが、これをやると核燃回収や冷却は絶望になる。
再度、4号機が倒壊すれば日本はオシマイ。