生物の細胞内でさまざまな物質の輸送に関わる“運び屋”として作用するタンパク質「ダイニン」の詳細な構造を、
大阪大学蛋白質(たんぱくしつ)研究所の栗栖(くりす)源嗣(げんじ)教授(構造解析学)らのグループが解明し、
8日付英科学誌「ネイチャー」電子版に掲載された。

ダイニンは精子の運動などに欠かせないタンパク質だが、詳細な原子構造は未解明だった。パーキンソン病など
一部の神経変性疾患や不妊症にダイニンの異常が関連しているとみられ、発症の仕組みの解明に役立つことが
期待される。

グループは、主に土中に生息している粘菌のダイニンを結晶化し、大型放射光施設「SPring-8」(兵庫県佐用町)
で解析。その結果、リング状の構造から長い脚のようなものが突き出た立体構造をしていることが判明した。

グループによると、リング状の部位には燃料を得ると駆動する「エンジン」部分が3つあり、そこで発生した
エネルギーが脚などに伝わって移動するという。

栗栖教授は「巨大で複雑な構造を解明できた。今後、より詳細な運動メカニズムを解析していきたい」と話している。


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