セシウム除染に応用も

 人体に有害な重金属・カドミウムをよく吸収するイネの開発に、石川県立大の西沢直子
教授と東京大のグループが成功し、二十四日発行の英科学誌「ネイチャー・サイエンティ
フィック・リポーツ」に掲載された。カドミウムが多い水田の浄化に役立つほか、放射性セシウムの
除染にも応用できるという。

 研究グループは、土壌から養分を吸うために働く多くのイネ遺伝子を調べ、「NRAMP5」と
いう遺伝子が金属元素の吸収に重要であることを突き止めた。この遺伝子を働かないように
したイネを育てると、茎や葉の部分に、普通のイネの四倍の濃さでカドミウムが集まってきた。

 これを栽培すれば土壌のカドミウムを広い範囲で効率よく吸収できる。育てたイネはカドミ
ウムが環境に広がらないよう、焼却処分する。

 西沢教授は「NRAMP5を抑えると金属を運ぶ他の遺伝子の働きが逆に活発になり、カド
ミウムの集積が進む」とみる。

 コメに関するカドミウムの基準値は、昨年から一キログラムあたり〇・四ミリグラムになり、この
値を上回るコメは出荷できない。各地で土壌の浄化が課題になっている。

 西沢教授は「実験に用いたイネは遺伝子に操作を加えた作物なので、すぐに水田で栽培する
ことはできない。成果を生かし適した品種を育成したい。またセシウムも金属であり、同様の
仕組みで除染に適した植物を開発できるはず」としている。


$シロップ_821とそよ風の語らい