『福島第1と浜岡末期的事故の予感』(広瀬隆)
 私は2月初めにフクシマ大事故の連続講演会をした折に、会場の人に
向かって、本心からこうお願いした。

 「福島第一原発の内部で何か”異常”が起こっているような気がします。
皆さん、逃げる用意をしておいてください」

 「ただ逃げるという漠然とした考えではなく、どのような交通手段を使って、
どこに向かって移動するのかを、きちんと家族で話し合っておいてください。
普通のマスクではなく、放射 性物質の粒子を吸い込まないしっかりとした
防塵マスクを家族全員一人ひとりが常にポケットに入れて生活して下さい」

 それは、昨年に爆発した福島第1原子力発電所の4基の原発が、1年
経つうちに次第に内部から弱ってきて、大崩壊する可能性があるからだ。

 福島第1原発は、4基とも危ないが、とりわけ4号機の原子炉建屋は、
昨年のプールから生じた水素の大爆発で、ほとんど骨組みしか残らない
ほど大崩壊してしまった。

 私が福島県内の講演会で語った「逃げる準備をしておきなさい」という
危惧は、建屋の屋上階にあるプールが、大型の余震で崩壊してドサッと
崩れ落ち、これらの大量の燃料がむき出しとなって、原発の敷地に転が
り出す末期的な事態をおそれてきたからである。

 その時、現場には人間がいられなく なる。作業員も東電社員も全員が
逃げ出さなければならない。
 それは1-6号機のすべての事故処理を放り出してしまう事態だから、
次々と新たな爆発 を誘発する恐れが多い。

 4号機に何かあれば…、もう手がつけられない。
 致死量を浴びる急性放射性障害によって、バタバタ人間が倒れてゆく
事態である。
 東電も、真っ青になって震えながら、こんどこそ、
「直ちに健康に影響が出ますからすぐに早く遠くに逃げてください」
と記者会見するはずだ。
一方、国は当面のパニックを避けるために、それを隠そうとするだろう。

福島第1原発は4基とも危ないが、とりわけ4号機の原子炉建屋は、
昨年のプールから生じた水素の大爆発で、ほとんど骨組みしか残ら
ないほど大崩壊してしまった。
東京電力は、傾いて倒壊寸前のこの建屋のプールを補強するため、
応急処置の工事をしたが、それは、何本かのつっかい棒を入れただけ
である。
    ■
その支柱の下は補強できないまま、実は脆弱な基盤の上に、つっかい
棒が立っているという、いい加減な状態のままである可能性が高い。

なぜ完全な修繕にすぐとりかからないのか、東電の判断が、われわれ
には分からない。

倒壊寸前の4号機の原子炉建屋は、何と、つっかい棒で支えられ
ているだけ!
これでは、4号機の原子炉建屋の倒壊は、時間の問題だ。
なぜ? どうして東電は完全な修繕に、すぐとりかからないのか?

4号機に何かあれば、もう手がつけられない。致死量を浴びる急性放射線障害によって、バタバタと人間が倒れてゆく事態である。東電も、真っ青になって震えながら、今度こそ「直ちに健康に影響が出ますから、すぐに遠くに逃げて下さい」と記者会見するはずだ。