“これからの経済はグローバル化だ!”。
そんな言葉に踊らされて、英会話や資格取得に躍起になっている日本人は少なくない。
しかし、どんなにスキルを身につけても、グローバル化で確実に日本人の手を離れていく仕事がある。
そして一方では、日本人であること自体がスキルとなる仕事も数多く存在する。
渡邉正裕著「10年後に食える仕事 食えない仕事」(東洋経済新報社 1500円)では、
仕事における“日本人メリット”を考えながら、10年後の可能性について分析していく。

まず本書では、あらゆる職業を4つのタイプに分類している。
弁護士や税理士など、日本人メリットが高く、日本市場向けの高度専門職である「グローカル」。
日本人ならではのサービスマインドが武器となる、保険・証券セールスなどの「ジャパンプレミアム」。
日本人メリットは低いが、勝ち残れば青天井の「無国籍ジャングル」には、建築家や会計士が含まれる。
そして、著者が一刻も早く抜け出せと警鐘を鳴らす「重力の世界」には、
プログラマーや検査・組立工、タクシードライバーなどの職業が挙げられている。
「重力の世界」の職業は提供者の人種が無関係であり、グローバル化とIT化の影響をモロに受ける。
たとえ日本人がこの職に就いても、将来は最低水準賃金となることを覚悟する必要がある。
しかし現在の日本では、実に72%の人が重力の世界の就業者であることも分かっているという。