静岡県富士宮市浅間町の無職遠藤忠夫さん(85)が、地震を感知すると鉛玉が転がり落ち、
電気のブレーカーを落とすという装置を発明し、特許庁から意匠登録の認定を受けた。
遠藤さんは「大きな揺れが来たらブレーカーを落とす余裕がない。万一の時、電気による火災を
少しでも減らせれば」と話している。
装置は、長さ約20センチの細い鎖の先に55グラムの鉛玉を取り付け、鎖のもう片方の端を
ブレーカーのスイッチに固定したもの。鉛玉は普段、鉄の板の上にあるが、大きな地震が起きると
鉛玉が板から落下し、その重みでブレーカーが落ちる仕組みだ。
今年1月6日に、特許庁から意匠登録が認められた。
遠藤さんが苦労したのは、鉛玉の重さをどのくらいにするかだったという。「軽すぎると、弱い地震
でも反応してその都度ブレーカーが落ちてしまうし、重すぎては役に立たない」。試行錯誤の末、
55グラムがちょうどいいと分かった。
遠藤さんは旧国鉄に勤め、主に東海道線の変電所などの保守を担当していたという。「現役の頃は
昼夜関係なく特急列車や夜行列車が行き交っており、大きな地震があったらどうしようと、
常に考えていた」。その思いは今も変わらず、自宅の家具はすべて固定し、ガラスには地震で割れない
ようにフィルムが貼ってある。
「大地震でいったん停電し、復旧した後、スイッチの入った電気ヒーターやアイロンなどから出火する
ことが多いと聞いた。瞬時にブレーカーを落とせれば、避難した後も安心できる」と話している。
