男女雇用機会均等法が施行されて25年以上が経過したが、これが男女の賃金格差の
実態である――人事コンサルタントの山口俊一さんは『理不尽な給料』(ぱる出版/刊)の中で、
そんな事実を明らかにする。
では、実際、賃金の男女格差はどのくらいあるのだろうか。
山口さん曰く、厚生労働省の平成22年調査によると、男性社員の年収523万円に対して、
女性社員は346万円。実に1.5倍もの開きがある。しかも社員数1000名以上の大企業では、
この差が1.6倍に拡大する。
また、社員全体に占める課長・部長など管理職の割合も、男性社員13.9%に対して、
女性社員は2.4%と、極めて狭き門となっている実態が明らかになっている。
なぜ、これほどまでに男女の処遇差が存在するのだろうか? 山口さんは次のように語る。
「欧米でも男女の賃金格差は存在しますが、それでも男性に比べて80%前後の水準です。
管理職に占める女性の割合も欧米で30%前後、フィリピンなどは50%を超えています。
諸外国と比較しても、日本は明らかに男女の処遇差が大きい国といえます。それに対して、
女性より男性の方が優秀という明確な根拠は見当たりません。女性上位の会社ほど儲かる、
という調査データもあるくらいです。
実は、日本企業の人事や賃金は、男が定年まで勤めることを前提につくられてきた仕組みです。
一方で、女性の側も結婚退職して専業主婦が当然だった頃は、OL時代の給料よりも結婚後の
ダンナさんの給料が高いことの方が、長い目で見れば得でした。そのため、男女の賃金格差に
目くじらを立てることもなかったのです。ところが、これだけ男女とも未婚率が増えた昨今、その前提条件は崩れてしまいました。
男性では、20代後半で約70%、30代前半でも50%近くの人が未婚者です。女性でも
20代後半で約60%、30代前半でも約30%の人が結婚していません。こうして見てみると
「男は外で働いて、女は専業主婦になって子供を育てる」という旧来の生活モデル自体が
完全に崩壊していることがわかります。また一方で、男は新卒で入社して1つの会社に
定年まで勤め上げることを理想とする勤務モデルも、とうの昔に崩壊しています」
旧来の人事モデルに沿って組み立てられてきた企業の賃金制度も、時代の変化とともに、
当然変わらざるを得ない。そして、その流れは決して速くはないものの、着実に進んでいるとも、
山口さんは指摘している。