大阪市の橋下徹市長率いる「大阪維新の会」の国政進出に向けた動きが加速してきた。
同会は13日、大阪市内で全体会議を開き、次期衆院選のマニフェスト(政権公約)となる
「維新版・船中八策」の骨格について議論。

13日には民主党の現職衆院議員が、同会が開講を
予定している政治塾に応募していたことも発覚した。

政党支持率15~16%とじり貧に甘んじる民主、自民両党を尻目に、
“維新の渦”がどんどん巨大化している。(酒井充)

維新の会の全体会議には所属議員約100人が集まり、橋下氏が骨格について説明した。
骨格は憲法改正発議要件の緩和、参院廃止、日米同盟を基軸とした外交・安保政策にも
及び、もはや地域政党の枠を大きく飛び越えている。

◆「期待」64%

実際、維新の会への期待は全国的な広がりを見せている。産経新聞社と
FNN(フジニュースネットワーク)が11、12両日に行った合同世論調査で、
橋下氏の国政進出に「期待する」が64・5%で、「期待しない」の27・5%を大きく上回った。

橋下氏との連携を模索する石原慎太郎都知事の「新党構想」にも41・1%が
「期待する」と答えているが、橋下新党への期待感は突出している。

一方、民主党の小沢一郎元代表による新党結成には78・6%が「期待しない」と回答。
「野田民主党」だけでなく、政権批判を繰り返す小沢氏への期待は低い。

◆“脱藩”発覚

維新の会の勢いは13日、永田町でも表面化した。衆院兵庫4区選出で当選1回の
高橋昭一氏(民主)が、維新の会が3月に開講する政治塾に応募した3326人のうちの
一人だったことが明らかになった。

高橋氏は記者団に「維新の会の方向性は本来われわれがやるべきエネルギーの
方向性だった」と述べ、民主党執行部の党運営を批判した。

その上で「維新の会の政治塾でしっかり学んで民主党の起爆剤にしなければいけない。
維新の会は敵ではない」と説明し、離党は否定した。維新の会は参加を認めない方針だ。

高橋氏は、他の民主党議員と連動していない「単独行動」とも強調。ただ、昨年8月の
党代表選に立候補した前原誠司政調会長の推薦人に名を連ねたことから、一時は
「前原氏による『野田降ろし』か」との臆測すら流れた。

民主党は7日に「明日への責任」対話運動本部を設置し、消費税増税を含む社会保障と
税の一体改革への理解を求める広報活動を本格化させたばかり。だが、増税路線に
反対する広野允士(ただし)広報委員長の9日の辞表提出に続く高橋氏の“脱藩”宣言は、
足元から揺らぐ民主党を象徴している。

「一院制にするには憲法改正が必要で、簡単にはいかない」。

輿石東(こしいし・あずま)幹事長は13日の記者会見で、維新の会が「船中八策」に
参院廃止を盛り込んだことに反論、政策協議にも消極的な姿勢を示した。

一方、高橋氏の動きには当惑の様子で「まだ事情も何も分からないのに
処分を考えることはない」と述べるにとどめた。