スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、ドイツやフランスを含むユーロ圏の15カ国の長期ソブリン格付けを「クレジットウォッチ・ネガティブ」にすると発表した。
有識者の見方は以下の通り。
●ドイツ含んだのはやや意外
<ディシジョン・エコノミクス(ニューヨーク)のシニアエコノミスト、ケアリー・リーヒー氏>
すでにコンセンサスはできていたともいえるが悪材料だ。ドイツまでもが含まれており、一級国だっただけに、やや驚きだ。
ドイツにとって懸念なのは、ユーロ圏パートナーの金融面での負担を一部担うかどうかで、そうなれば信用度にも影響する。
ドイツがトリプルA格を失ってもメルケル首相失脚にはつながらないだろうが、フランスの場合はサルコジ大統領の立場は弱い。
●驚きない、債務のGDP比いずれも高水準
<デビッドソンの首席市場ストラテジスト、フレッド・ディクソン氏>
誰も驚いていないだろう。これらの国の債務はいずれも国内総生産(GDP)比でかなり高水準だ。米国と同じぐらいかやや高い。なぜこれほど時間がかかったかだ。
これは最初の全体的な警戒信号だ。悪材料とみられるものは売りにつながる。
●EUへの圧力高めるが驚きではない
<ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのリージョナルディレクター、MOGENS HAUSCHILDT氏>
欧州連合(EU)に対するプレッシャーを強めることになるが、このこと自体は驚きではない。
市場はS&Pの発表後も静かだ。今週の欧州中央銀行(ECB)理事会とEU首脳会合待ちとなっている。
ECBが8日の理事会で、最後の貸し手としてさらなる措置を講じるかどうかが注目される。メルケル独首相とサルコジ仏大統領が新たな条約を結べば、それも支援材料となる。ただ、全ての解決にはならない。
<AAA格>
ドイツ、フランス、オーストリア、フィンランド、ルクセンブルグ、オランダ
この最上格であるAAA格をもつ6ヶ国の格付けが引き下げられるとされている点です。
しかも格下げ時期が『8~9日の欧州連合(EU)首脳会議の終了後、なるべく早く結論を出す』とされており、
今週末後に、最悪の場合、AAA格を得ています上記6ヶ国の格付けが一段階ではなく、数段階格下げされる可能性すら出てきていることです。
今回の格下げ予定理由は以下の通りです。
1.ユーロ圏全体の信用状況の悪化
2.最上位格付け国を含む国債利回りの上昇
3.危機対応を巡る欧州政策当局者の意見の不一致
4.政府や家計の高水準の負債
5.2012年にユーロ圏が景気後退に陥るリスク
どれを見ましても、一朝一夕に解決出来るものではなく、この9日のEU首脳会議で仮にメルケル首相がマダムNoからマダムYesに変わりましても、今度はドイツが「格下げ」になり、ドイツ国債利回りが3%を超えていくことも想定され、そうなればドイツの財政赤字は一層膨らみ、この財政赤字削減のためにドイツ人の税金が上昇したり、社会保障費が削減されたりすることになり、メルケル首相への反発が今より更に強くなり、今でも補欠選挙等で敗北を期しているメルケル首相支持政党が「消滅」することもあり得る状況に陥ります。
今、ユーロ圏諸国は八方ふさがりに陥りつつあり、ここで大規模な国家の格下げが起これば、金融機関の格付けはどうなるでしょうか?
今週末、ヨーロッパは進むも地獄、退くも地獄状態に陥ることになりますが、より悪いのは立ち止まる地獄です。
「時間稼ぎ」をしながら立ち止まるという、脳死状態に陥れば、金融市場は自壊を起こしはじめるからです。
最悪の直ちに崩壊状態にはなりませんが、じわじじわりと危機が深まっていき、AAA格が消えるどころか、軒並みBBB格に格下げとなり、金融機関も最上格がBBB格という惨状を示し、ヨーロッパ中で取りつけ騒動が起こることになる可能性が出てくるからです。
ユーロが直面する3つの「地獄」は解消することはもはや不可能であり、後は「いつ」「どのような形で」崩壊するかであり、これが決まるのが今週末となります。
ユーロ円では再度103円台に突入してきており、エネルギーをためてユーロを90円台に持ち込むのかどうか。
世界中のヘッジファンドが今日本に狙いを定めてきており、一日で2兆ドル(160兆円)が動くと言われています為替市場で、日本が投機筋の標的にあれば、日銀など1日も持ちません。
今週末の首脳会議及びその後の動きを待って、本来なら会議終了まで投機筋は動きませんが、今、ここで動いてきたということは、ユーロ急落を想定させる「何か」を投機筋はつかんだのかも知れませんし、仕掛けをしてきたのかも知れませんが、いずれにせよ、週末まで平穏であるとみてきた投資家・投機家は大慌てで対処する事態に追い込まれるかも知れません。