未DVD化の憂き目にあっていた時代劇の傑作、東宝版映画「次郎長三国志」シリーズのDVD化を実現
させたスタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーに話を聞いた。東日本大震災後の日本映画の方向性
について「戦後邦画のテーマであった“貧しさからの脱却”が今こそ必要」と分析する鈴木が、宮崎
駿監督による次回作の方向性を教えてくれた。

今年10月下旬からDVD化された同シリーズ、驚かされるのはジャケットイラスト。「ONE PIECE」の
原作者である尾田栄一郎が手がけているのだ。「ラジオ番組で対談する機会があって、尾田さんは
ビデオで観て以来どっぷりハマったと言っていました。彼は時代劇が好きでね」と鈴木。その影響
は作品にも顕著だそうで「コミックを読んで思ったのが、『ONE PIECE』は次郎長そのものだという
こと。彼に聞いたら、影響をあっさり認めていましたよ」と驚くべきエピソードも。

2011年は、日本という国に生きる人間すべてに影響を与える出来事が起きた。東日本大震災がそれだ。
鈴木は「衣食住に事欠く人が、近い将来生まれようとしている。そんな現実に対して、映画が語る
べきテーマも必然的に変わらなければダメ」と断言するが、そこで気になるのがジブリの方向性だ。

情報解禁前であることから多くは語れないとしながらも、宮崎監督の次回作は「観客の全員が安心
して観られるようなものではない作品」になるとのこと。鈴木は「震災が影響しているわけではなく、
現在の日本の状況というのは企画段階からすでに予測していました。リアルなものを作りたいという
思いがあります」と意図を説明した。