イタリアなど高債務国の国債利回りが上昇を続けるなか、欧州中央銀行(ECB)とドイツは18日、ECBによる国債市場への大規模な介入を固く拒否する姿勢を示した。

 ECBとドイツはそれぞれ、ECBに対する信認は政治からの独立とインフレ対策にかかっていると主張した。
 ECBのマリオ・ドラギ総裁はフランクフルトでの講演で、危機対応策を速やかに実施していないとして政治家を批判、欧州債務危機を解決する責任はユーロ圏の各国政府にあるとした。今月ECB総裁に就任したドラギ氏が総裁として講演するのは今回が初めて。

 ドラギ総裁は銀行関係者や政策立案者を前に、「長期的な決定の実施はどこに行ってしまったのか。われわれはこれ以上待つべきではない」と述べた。

 世界の多くの政治家や投資家、経済学者は繰り返し、ECBにはユーロ圏の金融システムの崩壊を阻止する手段があるとして、ECBに対して「最後の貸し手」としての役割を引き受けるよう求めていた。しかし、ドラギ総裁の発言で、ECBは大規模な国債購入に動くつもりがないことが確認された。

 また、ドラギ氏の後に講演したドイツ連邦銀行のバイトマン総裁もECBによる国債購入の拡大にあらためて反対を表明した。

 バイトマン総裁は「どのような形であれ、公的債務や財政赤字を金融政策による資金繰りでカバーした場合の経済的損失はこれによる利益を上回ることは明らかであり、現状の安定化の役にはたたない」と述べた。

 ドイツのショイブレ財務相も大規模な介入はユーロの安定性を危険にさらす可能性があると述べた。

 一部のアナリストはドイツ国民や政策担当者がECBによる関与拡大の障害となっているとみているが、ECBがユーロ圏各国政府の救済にどの程度かかわるかについての決定は最終的にはECBの理事会の手にゆだねられている。そして、当の理事会は今のところ、紙幣を増刷して各国政府を救助するつもりはない。

 ECBは過去18カ月間にわたってギリシャ、イタリアなどのいわゆる「ユーロ圏周辺国」の国債を断続的に購入してきたが、購入額は限られていた。今週になって、イタリアとスペインの国債利回りは危険水域にまで上昇したものの、18日のECBによる国債購入を受け、利回りの上昇が一服、欧州各国に対する圧力は軽減した。

$シロップ_821とそよ風の語らい

イタリア、スペイン、フランスの国債10年物の利率推移(11月)
 
しかし、スペインやフランス、アイルランドなどの国の政治家は、イタリアとスペインの国債を無制限で購入して債券市場を落ち着かせることができるのはECBしかないと主張している。そうすることで、投資家の信頼が回復するまでイタリアとスペインの借入コストが抑えられ、この2カ国を含めた欧州各国は緊縮財政政策などの改革プログラムを実施する時間を確保できる、と考えているからだ。

 多くの観測筋は、ECBはユーロの崩壊を食い止めるために、政府債務の支援に対する心理的な障害を乗り越える必要があると指摘する。

 今週になって、フランス、オーストリア、ベルギーなどの国の国債が売られたことから、ECBに対する金融市場の圧力は高まった。こういった国はこれまで、財政基盤が脆弱な「周辺国」ではなく欧州の中でも経済的に健全な「中心国」の一角とみられてきた。

 欧州最大の経済国であるドイツはこれまでもECBの立場を強く支持してきた。今週、ドイツ政府の首脳、国会議員、メディアはそろって、欧州債務危機は国家レベルの経済改革によってのみ解決が可能との主張を繰り広げた。

 ドイツのメルケル首相は18日、ユーロ圏各国の財政規律を改善するため欧州連合(EU)条約を改正する必要があるとの見解をあらためて示した。

 ECBが望んでいるのは、ユーロ圏の各国政府が欧州金融安定基金(EFSF)を拡充し、EFSFがECBに代わって国債を購入することだ。各国政府の首脳はこれまでEFSFに対し、4400億ユーロ(約46兆円)の融資能力とイタリアなど危機に瀕する国の国債を購入する権限を与えており、現在は、レバレッジを活用してEFSFを拡充する計画を詰めている。

 しかし、各国政府は変更を実施するに至っておらず、ECBだけがユーロ圏の国債市場の火消し役となっている。

 ECBのドラギ総裁は「EFSFが創設された首脳会議から1年半以上が経った」と指摘し、さらに「レバレッジによってEFSFの資金に最大で4倍から5倍拡充すると合意した首脳会議からは4週間が経過した」と述べ、各国の対応の遅れに不満をあらわにした。

 ECB高官の多くは、ECBが積極的に国債を購入してイタリアの借入コストを引き下げれば、イタリアの政治家に対する財政赤字の削減や構造改革の法制化を促すプレッシャーが弱まってしまうのではないかと懸念している。さらには、ECBが各国政府にセーフティーネットを差し出せば、将来的に無責任な予算政策を助長することになる、つまり経済学者が「モラル・ハザード」と呼ぶ問題が起きるのではないかという懸念もある。

 ドラギECB総裁は信頼喪失の損失は「非常に大きい」として、ECBの使命であるインフレ阻止から逸脱しないと述べた。ドラギ氏の前職はイタリアの中央銀行総裁。

 ECBはこのように警告しているものの、大半のアナリストはECBがドイツの意向に反することになっても、結局は譲歩して大規模な国債購入を実施せざるを得なくなるとみている。

 欧州経済が悪化して深刻な不況に突入すれば、ECBは経済刺激策やデフレ対策として大量に国債を購入することが必要になるかもしれない。米連邦準備理事会(FRB)や英中銀のイングランド銀行は既に、量的緩和として国債購入を実施している。

 エコノミストによると、スペインやイタリアで借入コストが壊滅的な水準にまで上昇すれば、または債務危機がフランスにまで波及した場合、ECBは慎重姿勢を脇に置いて行動するしかなくなるだろう。そうでなければ、政府債務のデフォルト(債務不履行)が広がるなかでユーロが破綻するのを黙って見ていることになる。

 フランクフルト在住のバークレーズ・バンクのエコノミスト、トールステン・ポライ氏は「各国政府を破綻させるか、国債を買い続けるかで選択を迫られれば、ECBは後者を選択するだろう」と述べた。

 中央銀行と財政を厳しく分離しているドイツでさえ、欧州経済の破綻の危機にさらされるなかで逡巡している。

 一部のドイツ政府高官は、各国の緊縮政策だけではユーロ圏で国債市場の破綻を回避するのにもはや十分ではないかもしれないと認め始めている。もしドイツの主要貿易相手国の多くで金融危機が発生することになれば、ドイツ経済は深刻な不況に陥るため、ドイツ政府はECBによる緊急政策を受け入れざるを得なくなるかもしれない。

 結局は、ドイツでさえ経済恐慌より中央銀行が紙幣を増刷したほうがましだと考える可能性があると識者は指摘している。しかし、それでも決定権はECBにあるのだ。

『ドイツの銀行の負債総額は資本の32倍、フランスは26倍にも達しており(アメリカは10倍)、ヨーロッパの銀行の負債総額は40兆ユーロ(4000兆円)となっている』

『ヨーロッパの銀行の自己資本比率を現在の6%から9%に引き上げるとEU首脳会議で合意しているが、これでヨーロッパの銀行は1兆4000億ユーロ(140兆円)から最悪の場合2兆5000億ユーロ(250兆円)の資産売却が必要とG20金融安定理事会議長が表明』

この2つの数字を見れば、今やヨーロッパは救いようがない金融状態に陥っているのが分かります。

そして別の記事の中で以下のような『結論』を出しています。

『ヨーロッパの問題は政府債務だけではないことだ。ヨーロッパの銀行が保有する国債を時価、即ち現在の安値で評価した場合、多くの銀行は事実上の破たん状態にある』

ヨーロッパの銀行で、ドイツ2行、スイス1行、フランス2行、イギリス2行、これらは事実上の破たん状態に追い込まれており、今はなんとか救命装置がつけられ息をしていますが、いつ突然死するか分かりません。ヨーロッパ(ユーロ崩壊)危機、これはヨーロッパから、アメリカ、日本、中国と世界中の金融市場を猛烈な勢いで破壊していきますが、一旦破たんの連鎖が起これば、1ケ月もしない間に、世界中の金融システムが止まり、預金は凍結乃至は消滅することになります。

今、日本のマスコミは国家破産危機を報じていますが、根本は銀行の破たん連鎖危機であり、これが12月のクリスマス前に起こることが避けられない事態になってきているのです。
フランス国債、ベルギー国債等、ヨーロッパ中の国債に投げ売りが殺到してきており、現時点でヨーロッパ中の株式市場は2%前後の下落となっていますが、仮にニューヨーク市場が200ドル以上急落して始るようなことがあれば、この下落率は3%を超え、巨大金融機関の破たんが想定されていますドイツ株式・フランス株式は5%を超える暴落を見せるかも知れません。

また、ユーロがドル・円に対して急落してきており、為替市場も大荒れになってきています。

世界の金融メルトダウンが始ってきていますが、日本は政治家も官僚も民間人も何も考えておらず、お気楽な日本人が殆んどですが、メガバンクの破たん・株式市場の暴落を目の当たりにして、パニックになる日が近づいてきています。

世界中の資産家・投資家は大急ぎで国債・株・不動産を売却し、一刻でも早く安全資産である現物資産に転換を進めています。