携帯電話サービスの通信品質向上を目的に2年間で1兆円を充てるとしていたソフトバンクの
設備投資計画が7日、明らかになった。
2013年度末までに既存基地局の補強を含め4万局を新たに整備し、基地局網を大幅に増強。
光ファイバーによる伝送路も敷設するため、投資総額は1兆数千億円に膨らむ見通しだ。
総務省が来年2月にも携帯電話事業者に割り当てる900メガヘルツ帯の周波数獲得を前提に、
NTTドコモやKDDIと同等のネットワーク品質を目指す。
既存基地局のうち、立地などが良好な2万局を補強し現在の1.5ギガヘルツ帯と
2ギガヘルツ帯に加えて900メガヘルツ帯にも対応させる。
新設する2万局は地上50メートル規模の鉄塔の四方をワイヤで支えて耐震強度を
向上させる工法を大成建設と開発。
工法を標準化して2013年度末までに2万局の新設を目指す。
新設基地局の1件当たり設置費用は1200万~2000万円程度かかるうえ、
土木工事費や伝送路費用などを積み上げると「総額で1兆数千億円に達する可能性がある」
(同社幹部)。
孫正義社長は
「(11、12年度の)2年間で1兆円を設備投資に使う」としていたが、このほど策定した
基地局増強計画はそれを上回る規模で、一挙にドコモやKDDIと同等の通信品質を目指すことに
した。
ソフトバンクは既存の1.5ギガヘルツ帯と2ギガヘルツ帯の基地局を16万局設置している。
しかし、これらの高周波数帯域は電波の送信距離が短く障害物にも弱いため、首都圏の住宅地でも
電波が届かなかったり、送受信速度が極端に遅くなるなど「電波品質が劣る」といった不満が
多かった。
電波が木々やビルなどの障害物に強く、遠くまで届きやすい900メガヘルツ帯で全国網を
構築することで、加入者の多い都市部の通信改善に加え、山間部なども電波の空白地帯をなくし、
通信品質の良さをアピールできるネットワークを構築する。
総務省は電波再編方針に沿って、第1弾として900メガヘルツ帯の周波数を1社に割り当てる。
ソフトバンクのほか、ドコモ、KDDI、イー・アクセスの携帯4社すべてが申請済みで、
来年2月ごろに割当先事業者が選定され、来夏から電波送信が可能になる。
ソフトバンクが希望通り900メガヘルツ帯の周波数を取得した場合、来年7月下旬にも
1万局程度を稼働。12年度末までに2万局を立ち上げる計画だ。
総務省は事業者選定条件として、
電波再編に伴う費用2100億円の拠出、高速データ通信サービスの早期広範な提供計画などを
掲げている。