1. ギリシャのデフォルトは間近い
ギリシャの債権を保有している銀行とその他の投資家らは既に大きな損失を見ている。2年物国債で50%以上、その他の債権ではそれ以上だ。
現在まで、ヨーロッパ諸国は自分たちの銀行がこういった不良債権を額面通りの価値を持つものとして会計簿に記していることに目をつむっている。それが最良で全く問題ないかのように扱っている。ソブリンデットの破たんなど決して起きないかのように振る舞っている。
しかし今やヨーロッパ当局はとうとう、銀行は「危機の解決に参加」すべきだということを認めつつある。
言い換えれば、銀行は腹を固めてギリシャ・ローンに大ナタをふるわねばならないということだ。彼らは正式に少なくとも損失があったことを認めねばならない。
結論:銀行がこの解決の仕方を意欲的にか、あるいはそうでないにせよ認めることはギリシャのデフォルトを意味する。
2. 恐れに対する感情が伝染し拡大する
世界中の投資家らがギリシャのデフォルトには見て見ぬふりをするだろうと考える者は、大きなショックを受けるだろう。
ギリシャは第三世界の小国ではない。ギリシャはヨーロッパ連合のメンバー国でありユーロ圏の国だ。ギリシャは、3280億ドルの負債を抱えているが、これはアイルランドとポルトガルのそれを合わせたものより大きい。
更に、ギリシャだけではないのだ。投資家らはそのことを知っている。ヨーロッパの国がデフォルトすれば、その他の国もそうなるということを、彼らは自動的に予見するだろう。その予見をもとに、彼らは大きな負債を抱えている政府にはそれ以上の貸し付けを拒否する、ないしはとてつもない利回りを要求するだろう。
3. ヨーロッパの大銀行が破たんする
いくつかのヨーロッパの大銀行はソブリンデット問題とそこから発する大量引出のために破たんするだろう。
巨大な住宅バブルとその破裂から生じた住宅ローンの不良債権問題を抱えているスペインの銀行は特に脆弱だ。
実際今年は、欧州銀行監督機構(EBA)はヨーロッパの大銀行に対するストレステストを実施したが、テストで不合格となった8行の内5行はスペインの銀行だ。
フランスの大銀行も問題が同様にある。彼らはどうにかテストには合格した。そのような事実があるにも関わらず、彼らはギリシャ、ポルトガルあるいはアイルランドに対する貸付での損失を会計簿に書き入れないで済ますことが許されている。
◎BNPパリバは2.7兆ドルの資産を持ち、世界最大。
◎クレジット・アグリコルは2.1兆ドルで、世界第4位。
◎ソシエテ・ジェネラルは1.5兆ドル
合計すると、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループを合わせたものより多いのだ。
この3行はPIIGS諸国の不良債権の海で溺れかかっている。この3行すべてが危険である。しかしもっと差し迫った問題がある:大量引出だ!
・・・(省略)
ヨーロッパの大銀行は、アメリカの銀行よりもずっと短期資金に依存しているので特に脆弱性を持っている。今現在、多くの銀行が引出で大きな問題に直面しつつある。
そのために、ヨーロッパ中央銀行が先週400億ユーロの緊急融資で大量引出に直面した銀行の救出に動いたのだ。しかし400億ドルは、PIIGS諸国の負債の1ドルに対して1セントの効果しかない。
これからの数週間で、大銀行が破たんするのを政府は手をこまねいてみているだろうか? 最初の内は、否だ。そこで以下のようになるだろう・・・
4. ヨーロッパ諸国の国債の格付けが下げられるだろう
ヨーロッパ連合で最も豊かな政府、フランスとドイツは、破たんする彼らの銀行の救済に取り組むだろうから、世界市場はしばらくは息をつけるかもしれない。
しかし、最近の歴史が示していることは、銀行救済の考え方は以下のような理由で深刻なダメージを受けている。
◎銀行と経済を救済せんとするため、政府自身の財政バランスを損なっている。
◎自分たちの優良であるとの信用格付けを失うことで大きなダメージを受けている。
◎更なる借金をした途端に、彼らはより高い利率で支払わねばならなくなる。
言い換えれば、破たんに瀕する銀行を支援しようとすることで、政府は自分自身を破たんの淵に追いやっているのだ。
先週、フランス・ベルギーの巨大銀行のデクシアが、破たんしかかっているということを知った。フランスの巨大銀行に比べればまだ小さいのだが、それでも、その資産はベルギー経済の1.5倍はあるのだ。
もしベルギー政府が銀行を救済しようとすれば、何が起きるだろうか? 間違いなくまだ良好な信用格付けを失うことになるだろう。
10月7日、ムーディーズはデクシアのような銀行の救済をしなければならなくなる可能性を理由に、既にベルギーを格下げの方向で見直しつつあると発表した。
ムーディーズは、ベルギーの格下げを考慮中である理由は、「必要となりそうな追加の銀行支援策を持つ既にぎりぎりの政府のバランス・シートに対するインパクト」である、とはっきりと指摘している。
また大銀行の救済が必要になりそうだということが、他のPIIGSの国々が最近、格下げで一層苦しくなっている主な理由だ。
5. スペインとイタリアが次のデフォルトに直面する国
スペインとイタリアは3.4兆ドルの負債を抱えている。これはギリシャのほぼ10倍だ。
しかし彼らが支払う利息の額が上昇し、彼らの大銀行が支払えなくなりつつあるので、彼らは今までの負債を支払うための新しい借り入れができなくなるだろう。
結果:スペインとイタリアはデフォルトの危機に直面するだろう。
6. 世界的な国債市場は危機的なメルトダウンに直面
スペインやイタリアも含める国々のデフォルトが予見される中、世界の国債市場は投資家らがパニックに陥り市場から撤退するため閉鎖されるようになるだろう。
このパニックはPIIGS諸国の借入能力を損なうだけでなく、彼らのデフォルトを推し進めることになるだろう・・・しかし、それは更にフランス、ドイツ、日本、イギリス、アメリカなどの債券市場をメルトダウンさせる恐れがある。それが起きれば、金利の急上昇が起き、最終的には、借入不能となるだろう。
7. ソブリンデット・デフォルトの悪循環と銀行破たんが世界的恐慌を引き起こすだろう
ソブリンデット・デフォルトは更なる銀行破たんの引き金となるだろう。銀行の更なる破たんは、更なるソブリンデット・デフォルトを引き起こすだろう。
この悪循環は、ビジネスや世帯向けの貸付を断ち切ることになり、世界経済は沈み恐慌になり、悪循環は永久に繰り返すことだろう。
最終的には、世界全体で何十億という人々が経済的な大災厄の中に投げ入れられる状況を長く見ることになるだろう。
ドイツ銀行連盟(BDB)のシュミッツ会長は、ギリシャが支払い不能の状態にあることを最終的に認めるようユーロ圏の政策担当者らに求めた。また、保有する国債に対する資本バッファーの確保を金融機関に義務付けるルールの設定も強く要求した。ロイター通信が独誌ウィルトシャフツウォッヘに掲載されたインタビューの発言として伝えた。
同誌によれば、シュミッツ会長は「ギリシャは現在の債務を何世代にわたっても返済することができない」と語った。さらに現在の銀行資本規制「バーゼル2」が全てのユーロ圏ソブリン債のリスクをゼロとみなし、これが銀行による国債購入に強いインセンティブを与えていることに関連し、バーゼル銀行監督委員会が合意した新たな銀行資本規制「バーゼル3」の規定を変更する必要があるとの考えを示した。