オンライン小売り大手の米アマゾン・ドット・コムは、現在タブレット型端末市場を独占するアップルの「iPad(アイパッド)」の対抗機を28日に発表するとみられている。これはiPadにとって最大のライバルになる可能性がある。

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Mike Sega/Reuters
アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEO
 このタブレット型端末の詳細についてはほとんど知られておらず、アマゾンはその存在を公式に認めていない。28日開催のメディアイベントの招待状にさえ何も触れていない。

 しかし、同社が発売するタブレットはiPadの独占を脅かす存在になるとみられている。アマゾンは幅広いサービスを提供しており、これまでに野心的な価格設定をしてきた経緯があるほか、人気の同社ショッピングサイトで端末を販売できる力を持っているためだ。

 このタブレットには、タッチスクリーン技術や同タブレット向けにカスタマイズされたグーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」が使用されるとみられる。また、アマゾンのアプリケーションストアや動画・テレビ番組のストリーミングサービスにアクセスできる機能なども付くとみられている。一部の観測筋は、新型iPadの価格が499ドルであるのに対し、アマゾンのタブレット型端末の価格は300ドル(約2万3000円)未満になる可能性があり、年会費79ドルのアマゾンの有料サービス「プライム」が付くかもしれないと予想している。

 アマゾンの広報担当者にコメントを求めたが、回答はない。同社はニューヨークで28日に開かれるメディアイベントについて、社名と開催場所、日時以外何も書かれていない謎めいた招待状を送付してきた。とはいえ、同社が人気の電子書籍端末「キンドル」を超えるタブレットを発売するという報道は何カ月も前から出回っている。

 アマゾンはハードウエアの販売で成功できることを既に証明済みだ。アップルのiPadがタブレットの基準を設定した一方で、アマゾンのキンドルは電子書籍専用端末の実質的なスタンダードになっている。シティグループは、キンドルの売り上げが来年までにアマゾンの総売上高の約10%を占め、60億ドルを超えるだろうと予測している。たとえ同社がキンドルの価格を引き下げたとしてもだ。

 調査会社ガートナーのアナリスト、マイケル・ガーテンバーグ氏は、タブレットの価格をiPadのエントリーモデルの価格である499ドルよりも安く設定することで、アマゾンはアップルのライバルになり得ると指摘する。ブログの中にはタブレットの価格が300ドル未満になるとしているものもある。アマゾンのタブレットには7インチのスクリーンが搭載されるとみられている。

 アマゾンは何百万もの人々が同社サイトを訪れるという点からも恩恵を受けそうだ。つまり、同社サイトが自動的に端末の広告の役割を果たす可能性がある。エバーコア・パートナーズでアマゾンをカバーしているアナリスト、ケン・セナ氏は、「アマゾンには他のタブレットメーカーにはない強みがある。それは何百万人もの人々が既に日常的に同社サイトを訪問しているということだ」と語った。

 また同社がこうした顧客に電子メールのアドレス、クレジットカードなどの個人情報を持ち、販促に利用できるというのも強みだとガーテンバーグ氏は語った。