9月16日(ブルームバーグ): 福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故を起こした
東京電力に補償金を申請しようとする福島県民に大きな壁が立ちはだかっている。
200ページを超す「補償金請求の案内」がそれだ。
東電は今週、福島第一原発事故の避難者に6万通の補償金申請フォームを送付し始めた。
書類は156ページのマニュアルと56ページの申請フォームが含まれる。
損害や費用を証明するためのレシートや各種証明書類の添付も求められている。
原発から近い距離にある大熊町で花屋を経営していた蜂須賀禮子さん(59)は
「ひどい話だ。避難生活で3月や4月は無我夢中だった。
避難しているときに領収書のことなんて考えるわけがない」と憤る。
放射能漏れで避難を余儀なくされた人は16万人に達する。
バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチによると、補償額は11兆円に上る可能性がある。
東電の広瀬直己常務取締役は8月30日、賠償金の請求は最大50万件に上る見通しを明らかにした。
東電の賠償金の本払い概要によると、対象は事故発生日から8月末までに確定した損害で、
9月以降の損害については3カ月ごとに補償する。
東電がこれまで仮払いとして支払った額は1120億円。本払いの中から仮支払い分は差し引かれる。
双葉町から避難している加藤仁一さん(57)は妻とともに埼玉県のアパートで暮らしている。
「本払いの時に1銭も入らない可能性があると思う。食うものも切り詰めて東電のカネで生活している。
仮払いのカネが底をつく。生活できなくなる」と訴える。