米証券大手、ゴールドマン・サックス(GS)のトップ・アナリストが、「欧米経済の崩壊」を予測する極秘リポートをヘッジファンドなど重要顧客向けに送っていたことが波紋を呼んでいる。
米国経済に楽観的な立場のGSが、VIPの顧客だけには真逆な内容をアドバイスしていたことが衝撃を広げ、いまの欧米株安の遠因ともささやかれている。
日本経済にも深刻な影響を与えるのは必至だ。

極秘リポートをまとめたのはGSのトップ・アナリスト、アラン・ブラジル氏。
「欧米経済の崩壊」を分析した54ページの悲観的な内容で、これをウォールストリート・ジャーナルが入手し、9月1日に暴露した。

GSのハウスビュー(社としての見解)は、米国経済の先行きについて楽観的で、FRB(米連邦準備制度理事会)が1兆ドルの「QE3」(第3段の金融緩和策)を実施すれば、米国のGDPは0・5%上昇するなどと示唆していた。
それだけに、投資家の動揺は収まらない。

アラン氏のリポートは、欧米経済は崩壊の可能性があり、「投資家は、市場の混乱に備えたポジションをとるように」と勧めている。

その根拠は
(1)欧米の先進国は、債務問題を解決できない
(2)米国では、雇用を生み出す中小企業が衰退している
(3)多くのEU(ヨーロッパ)の金融機関は破綻の危機に直面しており、1兆ドルの資本増強が必要
(4)中国の経済成長は維持できない可能性が高い
-というのが内容。

その上で「欧米の金融・財政危機は深刻度を増している」と結論づけている。

気になるのは、こうしたなか投資家がどう儲けるかだが、アラン氏は
(1)スイスフランに対するユーロのプット・オプションを購入
(2)EUの企業債券インデックスの破綻保険CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を購入する
…という2つの方法を推奨する。

前者は、ユーロに加盟していない健全通貨のスイスフランを買い、ユーロを売るポジションを取る方法。
後者は、EUの企業が1社でも破綻すれば、購入したCDSから保険金が入るため、儲かるという論理だ。

確かに、アラン氏が指摘するように欧米経済の先行きは厳しい。

ギリシャをはじめとする南欧の債務問題に揺れる欧州では、金融機関の総額2000億ユーロもの巨額な資本不足(IMF試算)が指摘され、公的資金の注入が不可避の情勢。
米国では住宅市場の低迷が長引き、金融機関を相手どって住宅ローン担保証券(MBS)を巡る訴訟が続出、シティやバンク・オブ・アメリカの株価は1カ月で20%も下落した。
Sによるこの「極秘リポート」と前後するように、毎度おなじみの”ギリシャ危機”に端を発する「欧州経済危機説」が再燃し、ユーロが暴落した。

ウォールストリート・ジャーナルがこの「極秘リポート」を入手して暴露したのが9月1日ということは、8月にこの「極秘リポート」がGSのVIP顧客に配付されていた見てよいであろう。
即ち、GSのVIP顧客らは事前に「ユーロ暴落」を予見し、自分たちだけ損をしないようポジションが取れたということである。

何が言いたいかと言うと、「相場は生き物」という格言があるが、そんなものは”マヤカシ”であり、為替相場にしろ、株式相場にしろ、暴落・暴騰する際は、大方、ユダヤ金融資本が裏側で糸を引いているということである。
本ブログにて何度もコメントしているように、”インチキ賭場”ということである。

今、欧米で起きているのは、言わば「弱ったフリ合戦」である。
アメリカが弱い経済指標なり、ネガティブ情報を出して、為替・株式の下落を画策すれば、EUも負けじとギリシャだスペインだと経済危機を過剰に演出して為替・株式や債権の下落で応じるという図式である。

まあ、どちらも「終わってる感」が強いということは事実であるが、「如何にして死に、如何にして蘇生するか」という、”死後の世界”での主導権奪取を見越した激しい争いが繰り広げられていると言ってもよいであろう。
端的に言えば、リセットボタンを押した後、どういう状態でコンティニューするかという、ゲームの世界みたいなものである。

このように書くと、なんだか”楽観的”な雰囲気を感じるやも知れないが、それは違う話である。
アメリカが先か、EUが先かはわからないが、どちらかがリセットボタンを押せばもう一方も同様にリセットボタンを押すであろうことから、その衝撃波は想像を絶するものであろう。
日本円が日本株がどうこうというレベルではなく、日本における価値観そのものが根底から覆されることになるであろう。

個人的には、”ペーパー資産”が紙屑化し、食糧・水や金(ゴールド)などの”実物資産”が意味を持つ事態になると想像しているが、それとて現時点での枠組みの域を出ない、限定的発想であり、実際は予想だにできない世の中になるやも知れない。
小生は、食糧(保存食)と水の備蓄にてこれに備えているが、この点に関しては、個人個人にて見解が分かれるところであろう。

小生の予測・行動を信じるか信じないかは皆さんの自由であり、これを強要することは決してしないが、国民一人一人が「その時」の衝撃に備えて、もういい加減に何らかの「備え」をすべきであろう。
1つだけハッキリ言えることは、「その時、国に何かを期待しても何もしてくれない」ということである。
国民自らが自身とその家族を守るべく、自衛するしかないのである。