何かにつかまらないと立っていられないほどの横揺れが数十秒間続いた。
オフィスを飛び出すと、非常階段に人が殺到している。
米東部を23日襲った強い地震は、首都ワシントンの政府関係者や市民に東日本大震災も想起させ、
市内は一時混乱した。
「日本の地震が頭をよぎって怖かった。すごく強い揺れを感じた」。
米連邦議会職員のシェリー・ハンさん(46)は、地震が起きたとき会議中だった。
職員は屋外避難を指示され、ハンさんや同僚も外に駆け出たという。記者が日本人と知ると、
「さぞかし怖い思いをしたでしょう」と気遣ってくれた。
多くの商業ビルでも退避命令が出され、街頭はビジネスマンらであふれかえった。
信号機があちこちで消灯したため、交差点では警察官が「早く道を渡って!」と汗だくで
交通整理に追われていた。
揺れに肝をつぶしたのか、路上に車を乗り捨てていくドライバーが続出したこともあり、
市内は大渋滞になった。
「急いでテレビをつけたら、皆が避難している様子を見て、私も怖くなってオフィスを
飛び出したの」。会社員のエミリー・ロバーツさん(35)は、友人の安否を確認しようと
携帯電話をずっと耳にあてていた。
弁護士のジョン・ルークさん(35)は「電車が真下を走り抜けたような感じ。こんな経験は
初めて」と目を丸くしていた。
地震が比較的少ない東部では、地震に不慣れな人が多いことも、混乱に拍車をかけたようだ。
オバマ大統領が執務するホワイトハウス周辺は、昼下がりということもあり観光客で
にぎわっていたが、地震で騒然とした雰囲気に。
ホワイトハウス主催の観光ツアーに参加していたジェイク・ジェリーさん(16)は
「シャンデリアが右に左に揺れ、あちこちで叫び声が聞こえた。その場でツアーは中止になった。
正直かなり怖かった」と震え上がっていた。
インターネット上の掲示板なども地震の話題で一時持ちきりになった。
交流サイト(SNS)最大手のフェイスブックでは、「すごく揺れている」「私は大丈夫。みんなは?」といった書き込みが相次ぎ、震源地のバージニア州ミネラル在住という女性は
「本棚が倒れ、食器が割れた。窓が揺れている」と恐怖を募らせていた。