中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員会メンバーの夏斌氏は23日、米ドルが長期的に下落するリスクをヘッジするため、中国は巨額の外貨準備を非金融資産にシフトすべきだ、との考えを示した。
同氏はフォーラムで「中国政府は間違いなく外貨準備(の安全性)について懸念している」とした上で、「中国は外貨準備に占める金融資産の比率を引き下げ、非金融資産の比率を引き上げる必要がある」と述べた。さらに、ユーロ圏の債券を買い増すのではなく、海外のエネルギーや資源、株式を買い入れるべきだと指摘した。
中国は3兆2000億ドルに上る外貨準備の運用先をドル資産以外に分散する方針を示しているが、アナリストによると、依然として全体の70%前後をドル資産で運用しているとみられる。
夏斌氏はまた、中国は「戦略的利益」を考え、多くの政府機関に外貨準備の運用を委ねるべきだと主張した。
現在、中国の外貨準備は国家外為管理局(SAFE)が大半を管理しているほか、政府系ファンドの中国投資有限責任公司(CIC)も4000億ドルを運用している。
ドル相場について夏斌氏は、米連邦準備理事会(FRB)が緩和策を続けているため、米ドルは短期的には回復するかもしれないが、長期的には下落するとの見方をあらためて表明。ドルの下落は「10年、20年、あるいは半世紀続く可能性がある」と語った。
また、中国は資本勘定の開放や人民元相場の自由化には慎重に対処すべきだと指摘。一方で、人民元の国際化を進めるため、人民元の国外流出に向けたチャネルを拡大すべきだ、との考えを示した。
中国のインフレ率については、2011年通年では4―5%になる可能性があるとして、人民銀行は「穏健な」金融政策を維持すべきだと指摘。「一部の人は、金融引き締めが行き過ぎており、政策を転換すべきだと言っているが、それはないだろう」と述べた。