モルガン・スタンレーは2011年と12年の世界経済成長予想を引き下げた。また、米欧当局はソブリン債危機の拡大防止に向け十分な措置を講じていないとし、米国とユーロ圏は「危険なほどリセッション(景気後退)に近い」との見方を示した。
11年の世界の国内総生産(GDP)伸び率予想を4.2%から3.9%に、12年については4.5%から3.8%に、それぞれ下方修正した。モルガン・スタンレー世界経済チームの共同責任者ヨアヒム・フェルズ氏は17日付のリサーチ・ノートで「成長予想の修正は、米国とユーロ圏が今後6─12カ月間、2四半期連続の景気縮小と定義されるリセッションに危険なほど近い水準で推移する状況にあることを反映している」とした。
ただ、こうした見方はモルガン・スタンレーの基本シナリオではないとし、企業部門は依然として健全に見え、インフレの鈍化によって消費者への圧迫が緩和される見通しだと指摘。米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が一段の金融緩和を試みる可能性もあるとした。それでも、わずかな衝撃で「バランスが崩れる」恐れがあるとの見方を示した。モルガン・スタンレーは、ソブリン債危機に対する欧州の不十分な対応や米連邦債務上限引き上げをめぐる与野党の対立など政策上の失敗が金融市場を圧迫し、企業や消費者の信頼感を損なったとした。米欧で予想される財政引き締めも経済成長に痛手となるとの見方を示し、先進国の成長率は2011、12年で平均1.5%にとどまる見通しとした。従来予想は11年が1.9%、12年は2.4%だった。新興国についても、2011年の成長率は10年の7.8%から6.4%に低下するとの見通しを示した。2011年の中国の成長率予想は9.0%で据え置いた。